美肌
　～ シミ・ソバカス ～

シミやそばかすはレーザーやIPL、トレチノイン酸で治ります。

シミの治療はレーザー（QスイッチYAGレーザー）やIPL（光治療）で治す方法とトレチノインなどの外用薬を使って治す方法があります。

レーザーで治療する場合は、シミは原則的に1回だけのレーザー治療で治ります。シミの治療はメラニン色素に反応するQ-YAGレーザー（532nm）で、表皮や角質にたまっているメラニン色素を取り除きます。当日からお化粧希望の患者様には各種IPL（BBL、フォトフェイシャルR、I2PL）も選択できます。

トレチノインはビタミンA誘導体と言われ、もともとは皮膚科で活動性ニキビの治療薬に使われていました。美容皮膚科領域ではその表皮剥離作用からシミ・そばかす・肝斑・くすみ・毛穴・小じわ・たるみ・ニキビ・ニキビ跡の凹凸・ニキビ跡の色素沈着、などの治療を目的として広く世界中で使用されています。

トレチノインはその副作用（催奇形性）から日本国内での薬品としての製造販売が認められておりませんが、医師の責任のもとに、肌の状態にあわせて処方し用いることは認められています。 当クリニックでは「ゼオスキンヘルス」との同時使用で非常に高い効果を出しており、患者様に満足してもらっています。

QスイッチYAGレーザー（532nm）

治療概要

もっとも一般的なシミ治療です。肝斑以外のシミに適応があります。最大のメリットは表皮全層を剥離しますので1回だけの治療でシミが100％取れる事です。麻酔も不要で1カ所数秒の照射時間です。顔面では1週間程度、手背や腕では2週間程度でシミの部分がカサブタとなって剥がれ落ちます。カサブタは今まであったシミよりも「黒く」場合によっては「厚みのある」カサブタとなりますので、お化粧で100％隠すのは難しいです。カサブタを無理に剥がすのは禁忌です。顔中のソバカスなどを1度に治療すると腫れや熱感の原因となりますので、シミが多数ある場合は2～3回に分けて治療するか、IPL（フォトプラスやI2PLなどのレーザーよりも弱い光線治療）を選択します。

PIH（炎症後色素沈着）

シミのレーザー治療の最大の問題点です。日本人の約40％位に現れてしまう現象です。レーザーによって「シミは取れたけれども、シミの部分の皮膚に新しく光（レーザー）を照射した事による日焼け」のような状態です。早いとカサブタが取れてから1週間くらいで現れます。あくまでも「日焼け」ですので数ヶ月（2～6ヶ月）で元に戻ってきれいになります。色白の方には起こりにくいのですが、元々色黒の方や日焼けをすると直ぐに黒くなりやすい方に多い現象です。アフターケアとしてはカサブタが剥がれた後からの「紫外線カット」「ハイドロキノンクリームの塗布」が必要です。ハイドロキノンクリームでは効果が弱い方にはトレチノイン酸クリームや高濃度ビタミンCクリームを使用してもらったり場合もあります。同じQスイッチタイプのレーザーでも「ルビーレーザー（694nm）」や「アレキサンドライトレーザー（755nm）」は波長の関係からPIHを起こやすいので、当院では比較的PIHを起こしにくいQスイッチYAGレーザー（532nm）を開業当時から採用しています。

紫外線や加齢によるシミです。QスイッチYAGレーザーを照射しました。

QスイッチYAGレーザーを照射して3分後です。シミの部分が黒くなりカサブタとなります。

レーザー照射後19日の状態です。カサブタは1週間で剥けたそうです。既に軽度の炎症後色素沈着が現れてきています．メラニン色素の抑制剤であるハイドロキノンクリームを塗布しています。

レーザー照射後47日目の状態です。前回よりも炎症後色素沈着が濃くなっています。ハイドロキノンにトレチノインを混ぜたクリームに変更しました。

レーザー照射後88日目の状態です。炎症後色素沈着はほぼ完全に消えてしまいました。患者様も満足です。やはりこの方のように大きいシミにはレーザーが良い適応です。

【レーザー照射前】左頬の直径１センチのシミ、治療前の状態です。

【レーザー照射直後】レーザー照射直後は脱色されて白いかさぶたとなります（ホワイトニング） カサブタは数分で黒っぽくなります。

【10日目】カサブタが剥がれて赤みが少しある状態です。カサブタが剥がれた後は紫外線カットとハイドロキノンクリームでケアします。

【約4ヶ月後】きれいな状態です。

IPL（光治療）

インテンシブ・パルス・ライトの略で光治療とも言っています。 サイトン社BBLやルミナス社フォトフェイシャル、ガデリウス社ノーリスなどに代表される光治療器を使用した美容治療です。 従来のレーザーの概念の単一波長ではない「波長に幅を持たせた」新しい治療方法です。

わかりやすく言うと「レーザーよりはマイルド（弱い）な効果ですが、レーザーのようなカサブタ形成やPIH（炎症後色素沈着）を起こしにくくノーダウンタイム（直ぐにお化粧が可能で、日常生活に支障を来しにくい）な治療方法」と言えます。

レーザーよりも深達度が浅い光ですので、1度に顔全体を照射しても熱傷や腫れなどの問題はありません。
シミやソバカスが反応して出来るカサブタも薄いのでお化粧で100％隠すことが可能で、お仕事には支障を来たしません。
その代わりレーザーと違って１回だけで100％の効果は得られませんので、1ヶ月毎に3～5回以上の治療をお勧めしています。

BBL（Broad Band Light）

2018年8月から導入したアメリカ、サイトン社の最新の光治療器です。最大の特徴はフィルター交換によって最大９種類の光を出力出来るという点です。このフィルター交換式は現在のIPLの主流となっています。

フィルターの種類によって420（ニキビ）515（色白の方のシミ、ソバカス）560（色黒の方のシミ、ソバカス）590（毛細血管、赤ら顔）640（肝斑の方）590ST（シワ、タルミ、小顔）695ST（毛穴）800ST（シワ、タルミ、小顔）という様々な治療が可能となっています。

特に肝斑がある患者様の各種治療が比較的安全に行えるメリットがあります。1回の照射面積が広く（フォトフェイシャルの3,3倍以上）非常にスピーディーな治療が可能になりました。
また、シミやソバカス、赤ら顔などの治療の他にST（スキン・タイトニング）モードが設定されており「シワ、タルミ、小顔」などの治療も麻酔不要、ダウンタイム無しで可能になっています。

フォトフェイシャル

ルミナス社の元祖IPL（インテンシブ・パルス・ライト）です。
波長に幅があるためにレーザーのような単独の効果ではなく、シミ・ソバカス（560～800nm付近の作用）赤ら顔・毛細血管（560～600nm付近の作用）コラーゲンの増加・皮膚の張り・毛穴改善（1000～1200nm付近の作用）など様々な効果が一度に期待できます。

治療方法

カメラのストロボのような光線が広範囲に照射されます。
光の種類を使い分ける事によってシミ、ソバカス、毛細血管、赤ら顔、毛穴、シワ、タルミ、小顔などを治療できます。

メラニンに反応する光を照射した場合はシミやソバカスの部分が少し黒っぽくなり、1週間前後でボロボロ剥がれてきます。従来のレーザー治療のようなお化粧ではカバー出来ないカサブタが出来たり、PIH（炎症性色素沈着、治療後に一過性にまた色素沈着が現れる現象）が起こったりする心配も非常に少ないです。

多少の日焼けをされている方や肝斑のある方でも適切な光を選択（フィルターを交換）する事により安全に治療できるようになっています。

麻酔はもちろん不要です。顔全体で10～20分程度の照射時間で終了し、直後からのお化粧も可能なノーダウンタイムな治療です。

両頬から鼻にかけてのソバカス、右頬と左目尻の丸いシミ（加齢性）の患者様です。両頬の赤み（毛細血管拡張）も少し気になる、との事でした。
シミやソバカスがある場所が皮膚の浅い部分だと推測される患者様です。ソバカスの数が多いので1個1個照射するレーザー治療では料金が高くなるのと患部の腫れが心配されるので、IPL治療を行いました。

照射直後です。ソバカスやシミの部分だけが黒くなっているのが分かると思います。これを「マイクロクラスタ」と呼んでいます。
シミのレーザー照射後のカサブタと違って「カサブタが浮き上がっていません」ので直後からお化粧が可能です。また、お化粧によって100％カバーできますので仕事等には支障ない方法です。両頬全体にIPL照射による赤みが少しありますが1日以内に消えてしまいます。

照射後7日目です。カサブタの部分が剥がれ落ちてきれいな肌になっています。
IPL治療では通常の丸いシミが1回できれいにならない場合が多いのですが、この方の場合は1回だけで完璧に取れています。
鼻や右頬に少し残っているソバカスはIPLが届かない「深い部分のメラニン』と思われます。
1回でこれだけ改善すれば大満足です。

また、両頬の赤みも明らかに改善して、毛細血管にも有効だったと分かります。 上口唇直上のホクロは目立たなくなり、鼻先と左目の下のホクロも多少は色が薄くなっています。
結果的に「この患者様のシミやソバカスは皮膚の浅い部分に存在していた」と言う事が出来ます。1回だけの治療でここまできれいになる患者様は多くありませんので、通常は1ヶ月毎に3～5回程度の照射が必要です。

トレチノイン治療（ゼオスキンヘルス）

効果

1日1～2回、顔全体に塗布するだけです。基本的に自宅で出来る治療ですので、必ずクリニックに来てもらう治療方法ではありません。しかし、１週間ごとに皮膚の状態をチェックしてアドバイスを受けて頂きたいので、ご来院もしくはオンライン診療（顔の写真をメール等で送って頂き、それに対してクリニックからお返事します）でアフターケアを行なっております。一般的には使用開始後2～3日程度で表皮がボロボロと剥離されてきます。同時に皮膚が赤くなってきて、多少ヒリヒリした感じが現れます。このような状態を約４週間継続する事により「シミ」「ソバカス」「肝斑」「皮脂性の毛穴」「加齢性の毛穴」「ニキビ」「軽度のニキビ跡」「ホクロの改善」「小ジワ」「たるみ」など表皮に由来するお悩み・症状が劇的に改善します。

使用の注意

トレチノインはビタミンA誘導体と呼ばれる薬品で「通常の食物に含まれるよりも高濃度のビタミンA」と考えて下さい。トレチノインには副作用として催奇形性（出産した際に奇形児が生まれる可能性が高くなる）があります。卵子や精子、受精卵に悪影響を及ぼす可能性が否定できません。人間での報告はありませんが、猿の動物実験で催奇形性の報告があります。ですから「現在妊娠中の女性」や「現在、妊活中の女性男性とも」には使用をお勧めしていません。トレチノインを顔全体に４週間使用した場合は、治療終了後に6ヶ月程度は避妊してもらいます。６か月経過後の妊娠出産は問題ありません。

治療前、顔全体のシミやくすみ、鼻や頬の毛穴の拡大が目立ちます

トレチノイン治療（ゼオスキンヘルス）約１週間後、表皮が剥離されています。
特に口回りは剥離しやすいので、トレチノインの量を減らして塗るように指導する場合も多い部位です。

トレチノイン治療（ゼオスキンヘルス）約２週間後、剥離の程度が強かったのでトレチノインの量を減らして剥離を少し抑えました

トレチノイン治療（ゼオスキンヘルス）約３週間後です。この時点でもシミがほとんど目立たなくなる、毛穴も引き締まっています。

トレチノイン治療（ゼオスキンヘルス）約４週間後です。最後の週なので少しトレチノインを増やして塗っていた、との事で剥離がまた多くなっています。
これでトレチノインの塗布は終了してアフターケアに移りました。

トレチノイン治療（ゼオスキンヘルス）約６週間です。
剥離による皮膚の赤みも全く無くなり透明感のある皮膚になりました。

治療前、シミや斑紋、地肌のくすみ感が目立ちます。

1週間後、この時点ですでに表皮はかなり剥離されてシミがきえています。

2週間後、口唇ヘルペスが現れてしまいました。元々ヘルペスのある方はトレチノインの使用によってヘルペスが出来やすくなる可能性があります。元々ヘルペスの無い方には現れません。

3週間後肉眼的には殆どシミはなくなりました。

4週間後、一応トレチノインの使用はストップです。この後は赤みを抑えたりするアフターケアに入ります。

5週間後、多少の皮膚の赤みは残っていますが終了です。地肌に透明感が出て、皮膚に張りも現れました。

トレチノインの治療前です。

治療開始後2週間の写真です。
皮膚がボロボロと剥離されています。
この方は殆ど皮膚の赤みが目立ちません。
通常の治療中はもっと皮膚が赤くなります。

治療開始後4週間の写真です。
ほぼ剥離が終了してきれいな肌になっています。シミは殆ど目立たなくなっていますが、真皮の根が深いホクロは取れていません。

トレチノイン（オバジニューダームシステム、現在はゼオスキンヘルス）の治療前の右側面です。

治療開始後2週間の右側面です。
皮膚がボロボロと剥離されていますので、お化粧は可能ですが、ボロボロした皮膚を完全に隠す事は難しいです。

治療開始後4週間の右側面です。
ほぼ剥離が終了してきれいな肌になっています。レーザー治療ではここまできれいには出来ません。
トレチノイン（オバジニューダームシステム、現在はゼオスキンヘルス）ならではの結果です。

両頬、鼻にかけての生まれつき（小学校頃から目立ってきた）のソバカスです。
それほど目立たないのですが、毛穴も気にされていた患者様でしたのでフォトプラスやレーザーではなくトレチノン酸治療を選択しました。

トレチノン酸治療（ゼオスキンヘルス、現在はゼオスキンヘルス）を開始して2週間経過しています。皮膚全体が赤くなり、薄く剥離されて（特に口周りがよく分かると思います）います。トレチノイン酸治療は「色むら」を無くすために基本的には患者だけでなく顔全体に行いますのでソバカス以外の皮膚も同様の状態となります。

トレチノン酸治療（ゼオスキンヘルス、現在はゼオスキンヘルス）を開始して約4週間経過しています。まだ皮膚の赤みはありますが、表皮の剥離は終了してソバカスや毛穴は殆ど目立たなくなっています。この後2週間程度で皮膚の赤みが消えて、「ベビースキン」となります。

経産婦の方の乳輪です。
色素沈着して黒ずんだ乳輪が気になるとの事です。

トレチノイン酸クリームとハイドロキノンクリームで治療中2ヶ月目の写真です。
表皮が剥離されて、少し皮膚がボロボロしています。乳輪、乳頭がかなりピンク色となっています。
この後はトレチノイン酸クリームは中止してハイドロキノンクリームだけの塗布とする予定です。

飲む日焼け止め「ソルプロプリュス ホワイト」

製造販売元は日本のカイゲンファーマ株式会社です。
主成分は天然ポリフェノールである「ニュートロックスサン」です。この成分の抗酸化作用によって活性酸素を抑制して皮膚の光老化を予防、改善します。他にもグルタチオンやマルチビタミンが配合されています。

「ソルプロプリュス　ホワイト」の効果とは？

日焼け予防、美白、美肌などに有効です。日焼けをしてから服用しても効果が得られる点が日焼け止めクリームと決定的に違うところです。

価格（税別）

1瓶（30カプセル） 6,050円

服用方法

1日1カプセルの継続をお勧めします

料金

フォトフェイシャル（シミ、ソバカス）

フォトフェイシャル（赤ら顔）

BBL SR（シミ、ソバカス）

BBL SR（赤ら顔、毛細血管）

BBL ST（シワ、タルミ、小顔）

BBL ST（毛穴）

BBL SR（シミ、ソバカス）＋ST（シワ、タルミ、小顔）

ほくろ・いぼ

レーザー治療

ケミカルピーリング

肝斑治療

ゼオスキンヘルス（ZOSKIN HEALTH）

ゼオスキンヘルス 7本セット

ハイドロキノン

（4％・ビタミンC含有）

トレチノインクリーム（0.1%）

飲む日焼け止め「ソルプロプリュス ホワイト」