しわ・たるみ・若返り
 ~ ヒアルロン酸・コラーゲン・その他注入物 ~

シワを改善し、若々しく!

治療前です。患者様のご希望は「前額部(眉上付近)の凹みをふっくらさせたい」「鼻根部(鼻筋)を高くしたい」「涙袋にヒアルロン酸を少しだけ入れたい」「ほうれい線をより目立たなくしたい」「上口唇をハッキリさせたい」とのご希望でした。カウンセリングの上で、ダウンタイムの少ないヒアルロン酸注入を行うことにしました

各部位へのヒアルロン酸注入直後の状態です。前額部の眉上付近の針跡が少し分かる程度でダウンタイムはほぼ無い仕上がりだと思います。翌日からのお化粧も問題ありません。患者様の満足度も高かったです

ヒアルロン酸の注入部位のマーキング。前額部の眉上付近には「ジュビダームビスタボリフトXCを34G針で皮内に左右トータルで0.3cc」涙袋では「ジュビダームビスタボリューマXCを27Gカニューレで皮下に左右0.1ccずつ」鼻根部には「ジュビダームビスタボラックスXCを31G針で骨膜上に0.4cc」ほうれい線には「ジュビダームビスタボリフトXCを34G針で皮内に左右トータルで0.4cc」上口唇縁には「ジュビダームビスタウルトラプラスXCを31G針で口唇縁皮内に0.2cc」使用しました。使用したヒアルロン酸はすべて厚生労働省で認可されているアラガン社の製品です

治療前の右側面写真。額が後退している(眉上の凹み)、鼻筋が低い、涙袋が殆ど無い、上口唇が薄い、などが悩みでした

治療直後の右側面写真。上記の悩みがかなり改善されています。特に前額部(眉上)の変化は大きく、立体感のある輪郭になりました。上口唇もキレイな形態となりました。ダウンタイムがほぼ無しで、ここまで改善出来ました



まだ20代後半の方ですがほうれい線が気になる、との事です。出来るだけ安く仕上げたい、とのリクエストでしたので使用するヒアルロン酸は厚生労働省でも認可されているアラガン社のジュビダームビスタ・ウルトラプラスXCを選択です。20代でも美意識の高い方は多いです。

ジュビダームビスタ・ウルトラプラスXCはアラガン社の製品の中では最も固いので「出来るだけ少ない量でシワを取る」事が可能です。ただし、触った際には皮膚に少し固さを感じます。左右のほうれい線にトータルで0.5cc注入しました。注入直後の写真です。内出血も無く、針跡も殆ど目立ちません。ジュビダームビスタ・ウルトラプラスXCはアラガン社では約14ヶ月で吸収されて無くなる、と告知されていますが18ヶ月位効果がある方も多いです。

右ほうれい線のヒアルロン酸注入前の超音波エコー

右ほうれい線のヒアルロン酸注入後の超音波エコー、約2.8mm厚の注入されたヒアルロン酸が黒っぽく写っているのが分かります。

左ほうれい線のヒアルロン酸注入前の超音波エコー

左ほうれい線のヒアルロン酸注入後の超音波エコー、約2.2mm厚の注入されたヒアルロン酸が黒っぽく写っているのが分かります。


額の横ジワ、ほうれい線、マリオネットライン(口角の下のシワ)が気になる方でした。また、鼻が低いのがコンプレックスとの訴えでした。

ヒアルロン酸注入の直後です。額、ほうれい線、マリオネットラインはいずれもシワが深くて皮膚が厚い場所だったのでアラガン社のジュビダームウルトラプラスXCを皮内に注入しています。トータルで1cc使用しています。鼻にはQmed社(現在はガルデラマ社)のマクロレーンを0.5cc注入しています。針跡が少し赤くなっている程度で、この方の場合はダウンタイムも殆ど無しです。

目の下の膨らみが一番改善したい場所でしたが、その他にもほうれい線も気になるし、鼻が低いのもコンプレックスでした。

目の下の膨らみは経結膜(まぶたの裏側から)による脱脂を行いました。傷も全く残らずスッキリして若々しくなりました。ほうれい線にはアラガン社のジュビダームビスタウルトラプラスXCを左右で0.7cc注入しました。鼻筋にはアラガン社ジュビダームビスタボリューマXCを0.5cc注入しています。治療後、約1ヶ月後の写真です。

コラーゲンとは?ヒアルロン酸とは?

今から25年以上前から製品化され、厚生労働省でも認可されて使用されている皮膚注入材料がコラーゲンです。
コラーゲンという名前を聞いたことのない方は少ないと思います。人間の皮膚の約80%はコラーゲンという「タンパク質の繊維」で出来ています。(残りの20%はエラスチンというやはり繊維です。)シワやタルミとはコラーゲンの量の減少、コラーゲン繊維の結合のゆるみ、などが原因です。

ヒアルロン酸も知らない方は少ないと思います。もともとは皮膚や筋肉にも含まれている「保水物質」です。
水分をキープする物質ですので、これの減少は肌の潤いや張りの低下という老化現象となって現れます。コラーゲンもヒアルロン酸もお化粧品やサプリメントなどに含まれていて「老化に効く」「シワがなくなる」などと宣伝されていますが、全くの嘘です。コラーゲンやヒアルロン酸の繊維の分子はとても大きいので皮膚に塗っても毛穴からは全く吸収されませんし、サプリメントで服用しても顔のしわに直接集まるわけではありません。通常のバランス良い食事を摂っていれば問題ありません。

若々しい肌、皮膚というのはこれらのコラーゲン、ヒアルロン酸がたっぷりとある状態と考えて下さい。

コラーゲンは導入していません

1987年から厚生労働省で認可され、広く美容目的で使用されて来たコラーゲン製剤ですが、現在は導入していません。
理由は「その採算性の悪さからメーカーが製造を中止してしまった」からです。FDAや厚生労働省で認可されて普及していた人コラーゲン(コスモダームなど)の製造メーカーであるアラガン社(ボトックスの製造メーカーとしても有名です)が2009年8月で製造を中止、2010年9月で販売を中止しました。
やはり、「効果が長持ちする」ヒアルロン酸には勝てなかったようです。
現在、厚生労働省で認可されて唯一入手出来るコラーゲン製剤があります。「アテロコラーゲン」という日本の高研という会社で製造販売している製品です。
しかし、この製品は人コラーゲンではなく「牛コラーゲン」なので「アレルギー反応」の起こる可能性が3%あります。アレルギーが起きるかどうかを確かめる「皮内テスト」が注入する1ヶ月前に必要です。また、皮内テストが陰性だったとしてもアレルギーは100%防げません。
以上のような理由で、共立美容外科宇都宮院では現在のところコラーゲン製剤を導入していません。

当院で使用しているヒアルロン酸の種類(2021年4月現在)

宇都宮院では以下の8製品を導入しています。
導入基準があります。
原則的には「厚労省とFDAの両方で認可されているもの」→「FDAで認可されているもの」→「CEマーク取得で発売されてから年月が経過しているもの(発売されて直ぐのものは使用しない)」という基準で導入しています。
ハイアコープは最後の「CEマーク取得のみ」ですが、発売されてから10年近くの歴史があり、現在は豊胸用ヒアルロン酸としてはこの製品しか発売されていないので、導入しています。

1)ジュビダームビスタウルトラXC

皮膚のシワを消す定番中の定番製品です。厚生労働省でも認可されており、10年以上の歴史があり安心して使用出来ます。
皮膚のシワに注入した場合は8~10ヶ月の効果です。

2)ジュビダームビスタウルトラプラスXC

これも皮膚のシワを消す定番中の定番製品です。厚生労働省の認可を受けています。10年以上の歴史があり、安心して使用出来ます。アレルギーの確率も15,000人に1人と非常に低くなっています。皮膚のシワに注入した場合は14ヶ月以上の効果です。
院長の僕もほうれい線に定期的に注入していますが、完全に無くなるのは1年半です。
皮膚を触れると硬さを感じるのが弱点です。

3)ジュビダームビスタボリューマXC

2016/12から厚生労働省でも認可がおりた1〜1.5年以上長持ちする高濃度のヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸の含有量は20mg/mlと高いものです。
皮膚の下のボリュームアップに使用します。
顎や鼻、こめかみ、頬などの「皮膚の下」への注入が適応となります。

4)ジュビダームビスタボリフトXC

2018/8から日本の厚労省でも認可がおりたボリューマの柔らかいタイプです。1年程度の効果が持続するヒアルロン酸です。
ボリューマと同様の皮膚の下のボリュームアップに使用出来ると同時に、ボリューマでは適応の無かった皮膚内への注入も可能になりました。
具体的にはほうれい線、マリオネットライン、眉間、ゴルゴライン、鼻下のシワなどへも適応が広がりました。

5)ジュビダームビスタボラックスXC

2021/2から認可がおりたアラガン社最新のヒアルロン酸です。従来、最も持続が長いと言われていたボリューマよりも25%濃度が高い製剤です。
ヒアルロン酸の含有量は25mg/mlです。
やはり皮膚の下のボリュームアップに使用します。
顎や鼻、こめかみ、頬などの「皮膚の下」への注入が適応となります。最長2年の効果の持続と言われていますが、実際にはこれからの使用実績で確かめてみないと分かりせん。

6)ジュビダームビスタボルベラXC

2018/10/26に日本の厚労省で認可がおりていますが、実際の発売は2019/3です。
ボリューマ、ボリフトと同様のVYCROSS製法で「非常に柔らかい」「注入後の水分吸収が少ない」「最大12ヶ月までの効果の持続」という特徴があります。
他社製品ではガルデルマ社のレスチレンVital Lightに相当すると言われていましたが、実際の使用感はもっと高濃度ですので皮膚の薄い場所には適応が限られます。
アラガン社的には唇への注入を推奨しています。
もちろん麻酔入りで、34Gという臨床的に世界一細いの注入針を使用できます。

7)レスチレンVitalLight

目尻や目の下などの皮膚の非常に薄い部分に使用します。
もちろん34Gという臨床的に世界一細い針を使用します。3~6ヶ月の効果の持続ですが、何しろ凸凹しないので安心して使用できる製剤です。10年近い歴史のある定番的な製剤ですが、未だに厚生労働省で認可されていないのが解せません。

8)ハイアコープ(豊胸用)現在は行っていません


ガルデルマ社(旧Q-MED社)で2016年6月まで製造販売していたマクロレーンVRF20の代替え品(ドイツのバイオサイエンス社製)です。CEマーク(ヨーロッパでの使用許可)は取得していますがFDA(アメリカ食品医薬品局)や厚生労働省認可(薬機法)は取得していません。アメリカでは従来からヒアルロン酸豊胸は禁止されてきました。2011年からはフランスでも禁止されました。主な理由は「乳がん検査でのマンモグラフィーで支障がある」「母乳にヒアルロン酸が含まれてしまう可能性が否定できない」「被膜形成によるしこり」などです。上記したように日本の厚生労働省では元々豊胸用のヒアルロン酸は認可してきませんでした。
現在の豊胸手術の主流はCRF自己脂肪注入やマイクロテキスチャーサーフェスの「モティバエルゴノミックス」シリコンバッグとなっています。日本美容外科学会、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会などで作成している「美容医療診療指針2022年度版(いわゆるガイドライン)」でも以上の理由でヒアルロン酸豊胸は「行わないことを強く推奨する」というカテゴリーに分類されています。共立美容外科宇都宮院ではガイドラインの示された2020年以降、ヒアルロン酸豊胸を行っていません。(2023年2月現在)

ジュビダームビスタウルトラXC ジュビダームビスタウルトラプラスXC レスチレンVital Light ジュビダームビスタボリューマXC ジュビダームビスタボリフトXC ジュビダームビスタボルベラXC ジュビダームビスタボラックスXC
製造会社 アイルランド、アラガン社 アイルランド、アラガン社 スイス、ガルデルマ社 アイルランド、アラガン社 アイルランド、アラガン社 アイルランド、アラガン社 アイルランド、アラガン社
厚生労働省 認可 認可 未認可 認可 認可 認可 認可
FDA 認可 認可 認可 認可 認可 認可 認可
CEマーク 取得 取得 取得 取得 取得 取得 取得
効果の持続 8~10ヶ月程度 14ヶ月以上 3~6ヶ月程度 12~18ヶ月程度 12ヶ月程度 12ヶ月程度 12~24ヶ月程度
1本の量 1cc 1cc 1cc 1cc 1cc 1cc 1cc
特徴 ヒアルロン酸の定番、長持ちする割には柔らかい 宇都宮院でもっと売れている製品です。長持ちしますが硬さを感じます 架橋されていない低濃度ヒアルロン酸、34Gの針で注入可 準最高濃度のヒアルロン酸、皮下への注入に限定 高濃度のヒアルロン酸だが柔らかいので皮内にも注入可 唇などのボリュームアップに適応 現在のところ際高濃度のヒアルロン酸、皮下への注入に限定
主な適応 ほうれい線、マリオネットライン、眉間、涙袋、唇 ほうれい線、マリオネットライン、眉間 目尻、目の下などの薄い皮膚 頬、こめかみ、目の下の凹み、アゴ、隆鼻、額 ほうれい線、マリオネットライン、眉間、ゴルゴライン 頬、こめかみ、目の下の凹み、アゴ、隆鼻、額
ジュビダームビスタウルトラXC
製造会社 アイルランド、アラガン社
厚生労働省 認可
FDA 認可
CEマーク 取得
効果の持続 8~10ヶ月程度
1本の量 1cc
特徴 ヒアルロン酸の定番、長持ちする割には柔らかい
主な適応 ほうれい線、マリオネットライン、眉間、涙袋、唇
ジュビダームビスタウルトラプラスXC
製造会社 アイルランド、アラガン社
厚生労働省 認可
FDA 認可
CEマーク 取得
効果の持続 14ヶ月以上
1本の量 1cc
特徴 宇都宮院でもっと売れている製品です。長持ちしますが硬さを感じます
主な適応 ほうれい線、マリオネットライン、眉間
レスチレンVital Light
製造会社 スイス、ガルデルマ社
厚生労働省 未認可
FDA 認可
CEマーク 取得
効果の持続 3~6ヶ月程度
1本の量 1cc
特徴 架橋されていない低濃度ヒアルロン酸、34Gの針で注入可
主な適応 目尻、目の下などの薄い皮膚
ジュビダームビスタボリューマXC
製造会社 アイルランド、アラガン社
厚生労働省 認可
FDA 認可
CEマーク 取得
効果の持続 12~18ヶ月程度
1本の量 1cc
特徴 準最高濃度のヒアルロン酸、皮下への注入に限定
主な適応 頬、こめかみ、目の下の凹み、アゴ、隆鼻、額
ジュビダームビスタボリフトXC
製造会社 アイルランド、アラガン社
厚生労働省 認可
FDA 認可
CEマーク 取得
効果の持続 12ヶ月程度
1本の量 1cc
特徴 高濃度のヒアルロン酸だが柔らかいので皮内にも注入可
主な適応 ほうれい線、マリオネットライン、眉間、ゴルゴライン
ジュビダームビスタボルベラXC
製造会社 アイルランド、アラガン社
厚生労働省 認可
FDA 認可
CEマーク 取得
効果の持続 12ヶ月程度
1本の量 1cc
特徴 唇などのボリュームアップに適応
主な適応
ジュビダームビスタボラックスXC
製造会社 アイルランド、アラガン社
厚生労働省 認可
FDA 認可
CEマーク 取得
効果の持続 12~24ヶ月程度
1本の量 1cc
特徴 現在のところ際高濃度のヒアルロン酸、皮下への注入に限定
主な適応 頬、こめかみ、目の下の凹み、アゴ、隆鼻、額

 

ジュビダームビスタボリューマXCのQ&A

アレルギーは出ませんか?

このボリューマ単独のデータはまだありませんが、0,01%の確率でヒアルロン酸はアレルギー反応が現れます。 1万人に1人の確率です。最近のジュビダームウルトラなどは1万5千人に1人の確率と言われています。
万が一、アレルギー反応が現れた場合は直ぐに来院していただき、ヒアルロニダーゼを注入してボリューマを分解して溶かします。
ヒアルロニダーゼでいつでも元に戻せるのがヒアルロン酸のメリットの1つです。

痛みや内出血はありませんか?

注入時はカニューレを使用しますので、ほとんど無痛です。
注入部位全体への局所麻酔は致しません。カニューレ針の先端部は丸くなっていますので95%の確率で内出血しません。 逆に言えば5%の確率で内出血しますが、お化粧でカバーできる程度が殆どです。

何回注入しても問題ないのですか?

時間とともに吸収されて最終的には無くなりますので、何度注入しても問題は無いと考えています。
ただし、注入する量がかなり多くて同一部位に何ccも注入するとヒアルロン酸がCYST(固まり)を形成してしまう可能性があります。 CYSTを形成してしまうと吸収されずに半永久的に残ってしまう可能性があります。何事も適量が重要です。

顔の表情が不自然にはなりませんか?

同一部位に過度に注入すると不自然な表情になってしまう可能性は否定出来ません。
そのために注入中は実際に鏡で確認しながら行いますので、注入しすぎて患者様の希望と違ってしまった、 という可能性は非常に低いと思います。

仕上がりが気に入らない場合は元に戻すことが出来ますか?

もちろん、元に戻すことが可能です。
ヒアルロン酸の最大のメリットの1つはヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸の分解薬剤)によって注入した ヒアルロン酸を即座に分解することが出来ることです。
ただし、「注入したヒアルロン酸を半分だけ」とか「2~3mmの範囲でだけ分解したい」というリクエストには対応できません。 ヒアルロニダーゼは液体ですので、一部だけを選択的に分解することは困難です。

洗顔やお化粧はいつから出来ますか?

はい、洗顔は治療直後から可能です。
カニューレの直径は通常27Gという太さですので抗生剤軟膏を塗ってもらった上からであればお化粧も直ぐに出来ます。

エステサロンなどで、顔のマッサージはいつから受けても構いませんか?

明らかな内出血や腫れ、痛みなどが無ければ1週間後くらいからはマッサージを受けても構わないと思います。
ただし、マッサージの程度によっては皮下に注入されたヒアルロン酸が移動したり、吸収が促進されたりする可能性があります。
結果的にエステサロンなどでのマッサージはお勧めしていません。

血管や神経への影響はありませんか?

ボリューマXCは現在のところ最高濃度のヒアルロン酸ですので、血管や神経の近くに大量に注入すると血管や神経を 圧迫してしまう可能性は否定できません。注入時は慎重に、過量な注入は禁物です。


治療前の状態です。(ただし、1年9ヶ月前に両側のほうれい線にヒアルロン酸(ジュビダームビスタウルトラプラスXC)を注入してあります。もう殆ど吸収されてしまっています)

両側のほうれい線にヒアルロン酸(ジュビダームビスタウルトラプラスXC)を注入した直後の写真です。麻酔クリームを塗ってから40分後に注入しました。非常勤の辻先生に注入してもらいました。ほうれい線(特に左側)がかなり平坦になりました。

治療前の超音波エコーです。上部の白い部分が皮膚(真皮)です。前回注入したヒアルロン酸は画像上は全く残っていないようです。

ヒアルロン酸注入直後の超音波エコーです。上部の黒い部分が注入されたヒアルロン酸です。今回注入したジュビダームビスタウルトラプラスXCは最低でも14ヶ月は効果が残存する高濃度タイプです。

ダブルレイヤー注入法

ダブルレイヤー注入法とは通常のヒアルロン酸を注入する「皮膚内(真皮)」だけでなく「皮膚の下(真皮の下の脂肪組織など)」にも注入してより高い効果を得る方法です。皮膚内と皮膚の下の2層に注入するのでダブルレイヤーと呼んでいます。

眉間や目尻のシワの原因は通常は皮膚だけですが、ほうれい線やマリオネットライン(口角下の下垂したシワ)は皮膚だけがシワの原因ではありません。頬やアゴの皮膚や皮下脂肪が加齢などで下垂したことによるシワも加わっています。そこで、皮膚の下にも注入することによって「皮膚の凹みを改善するだけでなく、リフトアップした効果」も得られるようになります。
弱点は皮膚の下は皮膚内よりもヒアルロン酸の吸収が比較的早い、という点です。

2016/12からやっと日本の厚労省でも認可されたジュビダームビスタボリューマXCは2年以上持続する製品ですので、ダブルレイヤーには非常に適しています。

ダブルレイヤー注入法は主にほうれい線とマリオネットラインに適応があり、従来の皮膚内だけへの注入よりも若返り効果がアップしています。 宇都宮院でのお勧めのテクニックです。

アレルギー反応と副作用

ヒアルロン酸は一般的に「アレルギーが殆ど起きない」と言われて、世界中で広く普及しています。ただし、全くアレルギーが無い、という訳ではありません。1人/15,000人の確率でアレルギーが起きる(ジュビタームビスタウルトラ)という報告があります。

当院でもヒアルロン酸を使い始めて20年近く経ちますがアレルギーの経験は3人(2018年7月時点で)です。一般的な症状は注射後しばらくしてからの注入部位に一致した「赤み」「腫れ」「かゆみ」です。

治療としては「ヒアルロニダーゼ」によるヒアルロン酸の分解に尽きます。通常はヒアルロニダーゼ注入後、数十秒で明らかにヒアルロン酸が消失しボリュームダウンします。アレルギー反応と思われる症状が現れたならば出来るだけ早く(当院では3日以内を推奨)来院して治療を受けて下さい。ヒアルロニダーゼによる治療が遅れると患部の「皮膚壊死」「陥没」「感染」などの危険性があります。

本来はヒアルロン酸注入前に皮内テストを行って、アレルギー反応が無い事を確認してから治療を行えば良いのですが、ヒアルロン酸のアレルギーは即時型(注入後すぐにアレルギー反応が出る)ではなく遅延型(後からアレルギー反応が現れる)である事が殆どです。また、「1回目の注入ではアレルギー反応が出なかったが2回目の注入でアレルギー反応が出た」「少量ではアレルギー反応が無かったが大量注入したらアレルギー反応が出た」という場合もあります。

ですので「アレルギー反応の皮内テストの不完全性」「患者様の通院回数」「アレルギー出現の確率」などを総合的に考えると「万が一、アレルギー反応が現れたならば直ぐにヒアルロニダーゼで対処する」というのが現状です。

  1. 注射針による皮膚の赤み
    →これは当日のうちに消えてしまう事が多く、お化粧でカバー可能です。目の下や目尻では34G、それ以外では32Gなど出来るだけ極細の針を使用しています。
  2. 内出血斑(皮膚が紫色になる)
    →注入針が血管を傷つけて出血するのが原因で、ある程度の確率で起こり得る副作用です。時間の経過とともに軽快、消失しますし、お化粧でカバー出来る場合が殆どです。内出血を早く消すヒルドイド軟膏が処方されます。
  3. チンダル現象
    →ヒアルロン酸を注入した部位の皮膚が「青黒く見えてしまう」現象で「光の屈折の影響」と言われています。目の下など「皮膚が薄い」部位で起きる可能性があります。 お化粧である程度はカバー出来ると思いますが、どうしても気になる場合はヒアルロニダーゼで元に戻す事が可能です。
  4. 血管圧迫による皮膚障害
    →注入部位近辺にある血管を圧迫してしまう事が原因です。
    注入直後から皮膚の色に変化(一般的には虚血で白くなる)が現れたたり、患部の痛みが現れたりする可能性があります。そのような場合はヒアルロニダーゼを投与してヒアルロン酸を分解するとともにプロスタンディンなどの血行促進薬の投与が必要です。温湿布やマッサージも有用です。1カ所に大量に注入しなければ起きにくい副作用です。
  5. 血管内注入
    →血管内(特に動脈)に注入してしまったことによる血管塞栓とその血管の栄養領域の組織壊死が起きる可能性があります。ヒアルロン酸注入ではもっとも重症なトラブルです。皮膚内には大きな血管はありませんが「皮膚の下」には比較的大きな血管があります。ですから具体的には皮膚内のシワ治療ではなくて、皮下のボリュームアップを目的とする治療、例えば「鼻を高くする」「顎を出す」「頬をふっくらさせる」などで起こり得ます。当院では今までにこのようなトラブルはありませんし、適応や解剖を熟知していれば避けられるものばかりです。針先が丸く血管を傷つけにくい「カニューレの使用」や「1ヶ所に大量に注入しない」「ヒアルロニダーゼの準備」などは必須です。
  6. 注入後の拡散
    →これはアゴや鼻、コメカミ、頬などににヒアルロン酸を注入した際に起こりえますが、通常は過度なマッサージなどをしなければ極端に拡散する事はありません。最近ではジュビダームビスタボリューマという拡散しにくい製品を主に使用しています。
  7. 注入後の膨隆
    →ヒアルロン酸は保水物質ですの、注入直後は平坦でも数日のうちに水分を含んで少し盛り上がってしまう事がよくあります。そのような事態を避けるために特に初回治療の際にはヒアルロン酸は少なめに注入した方が無難です。最近では治療後に膨隆しにくい「ボリフト」「ボリューマ」という製品も発売されています。
  8. 皮膚の真珠様変形
    →皮下にヒアルロン酸を必要以上に注入すると、しばらく経過してから皮膚の浅い部分に1ミリ前後の小隆起を複数個認める事があります。この小隆起を「真珠様変形」と呼んでいます。表皮内の「ヒアルロン酸による水膨れ」のような状態と考えてください。ヒアルロニダーゼのピンポイント投与で軽快します。

ピクセルカニューレ(鈍針)について

2012年からカニューレを導入しています。カニューレとは「針の先端が鋭利な形状ではなく、鈍になっており、針穴が先端ではなく側面に開いている」タイプの針です。

現在は長さ、太さの違うものが多品種、多くのメーカーから発売されています。

針先が丸いので95%の確率で内出血が起きません。痛みも非常に少ないので、治療部位への直接の麻酔は不要です。目の周りなどの皮膚が薄くて、内出血しやすい部位では必須アイテムです。

涙袋、唇、目の上の凹み、目の下のクマ、額、手背、膣内部、陰茎などの注入では必須です。痛みが殆ど無いので、治療中の鏡での確認も容易に出来ます。

麻酔と痛みについて

当院でお勧めしている注入物と使用部位

どんな治療でも痛みがあると受けるのを躊躇してしまいます。
当院では患者様の痛み軽減のために以下のような工夫をしています。

  1. 極細針の使用
    目の周囲では34Gという世界一細い針を、それ以外の部位では32Gという極細針を使用していますので、痛みが軽減されています。
  2. 麻酔クリーム
    患部に塗ってから30~60分お待ちいただくと痛みが非常に軽減されます。

ヒアルロニダーゼについて

ヒアルロニダーゼという薬剤があります。その名の通り「ヒアルロン酸を分解する」物質です。ヒアルロン酸アレルギーが起きてしまった、量を入れすぎてしまった、何かの理由で元の状態に戻したい、などという場合に使用します。「ナメクジに塩をかけるように」注入されたヒアルロン酸が消失します。この薬剤があるお陰で、万が一のトラブルにも安全に対処できるようになりました。

ただし、このヒアルロニダーゼは羊由来の薬剤なので、まれにアレルギーを起こす可能性があります。本来ならば事前にアレルギーが出るかどうかの皮内テストを行ってから使用するのが理想です。

しかし、実際には「ヒアルロニダーゼの血液中の半減期は約30分」と言われていますので、アレルギーが出ても体内から速やかに代謝されてしまいます。そのような理由で当院では皮内テストは行っていません。

ヒアルロニダーゼのアレルギーが万が一現れても、すぐに治るという事です。

その他の注入物(レディエッセ、ダーマライブ、アクアミド、アメイジングジェル等)について

当院で使用しているのはヒアルロン酸だけですが、2010年からはハイドロキシアパタイトを成分とするレディエッセという製品が発売されています。これはFDAでも認可されています。歯科や整形外科分野で使用されるカルシウム製剤であるハイドロキシアパタイトを流動性のある製品にしています。

効果の持続が1年半程度というメリットがありますが、デメリットは「注入時の痛みが強い」「直ぐに元に戻したり修正する事が困難」という点です。主に隆鼻目的で使用されていますが、上記のデメリットのために当院では導入していません。ヒアルロン酸で十分、と考えています。

世の中ではPMMAと呼ばれる非吸収性の異物を含んだ注入物やFDAで認可されていない製品が出回っています。商品名で言うと「ダーマライブ」「アクアミド」「アメイジングジェル」などです。非吸収性の物質を含んだ製品は「非吸収性の物質が含まれているので全く元に戻ることはありません」という謳い文句ですが、逆に言えば異物が体内(皮膚内、皮下)に残ってしまう、という事です。

PMMAは異物として体内に残るだけでなく、その代謝産物が発癌性を持つ危険性も指摘されています(2006年10月の日本美容外科学会での日本医大佐藤先生の発表より)。元々体内にない物質が残ってしまう訳ですから患者様によっては異物反応による「異物肉芽腫」が現れる可能性が否定できません。

実際に宇都宮市内の美容クリニックでダーマライブという製品を使用して「異物肉芽腫」が複数の患者様に発生して、裁判にもなっています。(2005年10月の下野新聞より)異物肉芽腫とは患部がケロイドのように赤く盛り上がって、痛みやかゆみを伴う場合もあります。治療方法としてはその部位を切除するか、ステロイド剤等の内服、外用で症状の緩和を図ります。しかし、全く元通りの皮膚に戻ることはありません。

ですから当院では開業当初より厚生労働省やFDA(アメリカ食品医薬品局)などの信頼置ける機関で認可された製品を主にを使用しています。また、万が一の際には「元に戻せる」という点に留意して現在のところはヒアルロン酸だけを使用しています。

部位別お勧めフィラー

宇都宮院で導入しているヒアルロン酸をまとめてみました。注入時の参考にしてみて下さい。

◎…とても良い適応、お勧めします。
○…適応があります
△…注入して悪くは無いですが、積極的にはお勧めしません。
×…適応がありません。部位によっては逆効果になります。

レスチレンVitalLight
低濃度
ジュビダームビスタ
ウルトラXC
中濃度
ジュビダームビスタ
ウルトラプラス
XC高濃度
ジュビダームビスタ
ボリューマ
XC最高濃度
ハイアコープ
粒子大で安価
ほうれい線 ◎皮下には ◯皮下には
マリオネットライン ◎皮下には ◯シワが深ければ
眉間 × ×
額の横シワ ◯シワが深ければ × ×
目尻のシワ ◯シワが深ければ ◯シワが深ければ × ×
目の下のシワ ◯シワが深ければ ◯シワが深ければ × ×
鼻の横シワ ◎シワが深ければ ◯シワが深ければ × ×
ゴルゴライン ◯皮下には
鼻下の縦シワ ◎シワが深ければ × ×
涙袋 × ×
目の上の凹み ◎極少量ならば × ×
目の下の凹み、クマ ×
隆鼻
口唇
アゴ
コメカミの凹み
頬の凹み
顔の輪郭形成
額を立体的にする
手背をふっくら ×
ペニス 陰茎には○ 陰茎には○
膣入口 × ×
膣内部
豊胸 × × × × ◎現状では豊胸用にはこれしか販売されていない

施術の流れ

1.カウンセリング

医師により、充分なカウンセリングを行います。
このときあなたの希望を伺いながらヒアルロン酸やボトックスの適応など患者様にとって最適なプランを決めていきます。

2.施術

治療するシワをマーキングします。
その後麻酔を行う場合もあります。ベッドで起きた状態(部位によってはベッドで寝た状態)で注入していきます。治療中は鏡で確認しながら注入しますので安心です。

3.施術後

万が一の内出血の予防のために患部を冷やしてから帰ってもらいます。
注入直後からお化粧は可能です。内出血の治療薬のヒルドイド軟膏が処方されます。



料金

ヒアルロン酸注入

0.1ccあたり
ジュビダームビスタボリューマXC
(準最高濃度)
14,300円
キャンペーン価格 11,440円
1本1cc使い切り99,000円
ジュビダームビスタボリフトXC
(高濃度)
14,300円
キャンペーン価格 11,440円
34Gの極細針で
の注入が可能
ジュビダームビスタウルトラプラスXC
(高濃度)
13,200円
キャンペーン価格 10,560円
ジュビダームビスタウルトラXC
(中濃度)
11,000円
キャンペーン価格 8,800円
ジュビダームビスタボルベラXC
(低濃度)
14,300円
キャンペーン価格 11,440円
34Gの極細針で
の注入が可能
レスチレンVital Light
(超低濃度)
13,200円
キャンペーン価格 10,560円
34Gの極細針で
の注入が可能
ジュビダームビスタボラックスXC
(最高濃度)
15,600円
キャンペーン価格 12,320円
1本1cc使い切り110,000円
麻酔クリーム(1ヶ所) 1,100円
(1ヶ所とは額、両目尻、両ほうれい線、両目の下、両マリオネットライン、など)
3ヶ所以上は何ヶ所でも上限3,300円
注入用カニューレ(鈍針)1本 3,300円 出血や痛みが極端に少ない鈍針で皮下への注入ではマストアイテムです

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