美肌 ~赤ら顔(毛細血管拡張症)・血管腫(赤アザ)・静脈瘤~

ダウンタイムの殆ど無い、患者様に優しい治療です。

寒い地方の人に赤ら顔が多いのは、外気と室内等、寒暖の差が激しい場所で生活をしているために皮膚部分の毛細血管が多くなる事、そして日焼けをあまりしないので肌の色が薄く、血管が透けて見えやすい事などが影響していると言われます。血管(血液の赤い色の元であるヘモグロビン)が関係している美容的な悩みには「赤ら顔」「毛細血管拡張症血管」の他に生まれつきの各種「血管腫」や加齢の1つである「静脈瘤」「角化血管腫」などがあります。

現在では赤ら顔などの「赤系」の悩みをレーザー治療やIPL治療によって解消出来るようになりました。当院ではダイレーザーでは効果の薄かった血管腫にも有効なロングパルスYAGレーザー(XEO)と第2世代のIPLであるI2PL(エリプスフレックス)を導入して治療を行っています。両機種ともに治療後のお化粧が直後から可能なダウンタイムの殆ど無い患者様に優しい治療です。

赤ら顔の原因

赤ら顔のことを毛細血管拡張症とも呼んでいます。血液中のヘモグロビンが赤いために赤ら顔となっています。通常は目に見えないレベルの血管である毛細血管が何らかの理由で拡張してしまい、皮下に透けて見えている状態です。原因には大きく分けて以下の4つがあります。

体質によるもの

生まれつき皮膚が薄い、皮膚が白い、という皮膚の体質的な事が原因の赤ら顔です。

環境によるもの

一般的には赤ら顔は寒い地方や北国の方によく見られます。沖縄や九州地方出身者で赤ら顔の方、という人は少ないです。僕の山形大学医学部の同級生で埼玉県出身の友人がいたのですが、山形で数年暮らすうちに頬が赤くなってしまい、卒業後に東京で病院勤務してからも頬の赤みが続いている男性がいます。

基礎疾患があるもの

アルコール性の肝臓障害がある方などでは「酒さ」と呼ばれる鼻周囲に太い毛細血管が目立つ症状が見られます。また、膠原病では「蝶形紅斑」と呼ばれる料頬に拡がる赤い色素斑が現れる事があります。

ニキビや吹き出物によるもの

正確にはこれは赤ら顔とは呼ばないのですが、患者様によっては「細かいニキビの炎症による毛穴周囲の赤みが頬全体に拡がっている状態」を「赤ら顔が気になるのですが、治りますか?」と言ってきます。このような場合の頬の赤みの原因はニキビ(皮脂腺の炎症)ですので、ニキビの治療を行います。

赤ら顔のタイプと治療

赤ら顔のタイプには大きく分けて2つあります。それは毛細血管が「1本1本皮下に確認出来るタイプ」と「1本1本確認出来なくて皮膚全体が赤みを帯びているタイプ」の2つです。


治療前、鼻先の毛細血管が目立ちます

治療直後、XEO(ロングパルスYAGレーザー)の3ミリスポットで150J、10msecで照射しました。1回だけでほぼ完全に消えました。


毛細血管が1本1本透けて見えるタイプです。

毛細血管が1本1本確認できなくて、皮膚全体が赤みを帯びているタイプです。

症例写真をもっと詳しく見る

両方とも血管を加熱凝固させることによって血管の血流を無くしてしまい、結果的に赤い色を消失させるのが治療目的です。一般的にはレーザー治療とIPL(フォトフェイシャルに代表されるフラッシュランプ)治療の2種類があります。レーザー治療でもIPL治療でも赤さの原因である血液中のヘモグロビンを標的とする波長や波長帯を使用します。ヘモグロビンに反応するレーザーには大きく分けてダイレーザー(590nm付近の波長を持ったレーザーで発振媒体として色素を使用しているために色素レーザーとかダイレーザーと呼んでいます)とロングパルスヤグレーザー(1064nmの波長で10~30msecの比較的長い照射時間のもの)の2種類があります。

当院では後者のロングパルスヤグレーザーを使用しています。従来はダイレーザーが赤ら顔の治療では主流でしたが、最近は圧倒的にロングパルスヤグレーザーが用いられています。その理由は痛みが少ない、内出血の可能性が低い、より深部まで作用する、の3点です。欠点はその波長の関係でヘモグロビンへの吸収性がダイレーザーより劣ることです。

一方、IPLには実に様々な機種が出回っていますが、当院では第2世代のIPLという名称のI2PL(デンマークのエプリス社製のエプリスフレックス)を導入しています。この機種は第2世代というだけあって波長帯が4種類選択出来て赤ら顔には590nmの波長を含む2つの波長帯(555~950nmと530~750nmの2つの波長帯)の中から選ぶことが可能です。(4つの内の残りの2つの波長帯はニキビ用と脱毛用です)また、最新のテクノロジーによって従来のフォトフェイシャルなどでは4~6回以上かかっていたところを2~3回の半分程度の少ない治療回数でより満足行く結果が得られています。治療回数の軽減は結果的に患者様の時間的経済的負担減少に貢献しています。

毛細血管が1本1本見えるタイプ

皮下に透けて見える血管に沿ってレーザーを照射します。照射直後から面白いように毛細血管が消えていきます。ただし、レーザー光を同一部位に2回以上照射してしまうと、小範囲の熱傷となってしまい、小さな水疱の原因となってしまうので同じ部位には決して照射してはいけません。当院で使用しているキュテラ社の製品では最低でも直径3ミリのレーザー光が照射されます。ですから、毛細血管が3ミリ以上離れているものに対しては問題ありませんが、3ミリ以内の隣接している毛細血管に対しては2回に分けて照射しなければなりません。結果的には治療回数は1ヶ月毎に1~3回かかります。
レーザー治療は目標とする毛細血管を1本1本的確に治療できるのですが、レーザーと遜色ない治療効果をあげているのがI2PLです。I2PLはフラッシュランプですので、毛細血管だけに光が照射されるのではないのですが、ターゲットとする毛細血管を選択的に熱凝固させる波長帯で効果をあげています。I2PLの決定的に優れている点はその照射面積です。レーザーが1発で直径3ミリの範囲を照射するのに比較して、1発で1×5センチもの広範囲を治療できます。顔全体、下肢の広範囲な毛細血管にはそのスピーディさから言ってI2PLが第一選択となっています。隣接している毛細血管も一度に治療可能です。更にI2PLはその波長帯の特性としてシミやソバカス、ホクロなどのメラニン性疾患にも効果がありますので、赤ら顔治療と一緒にシミ治療も出来て一石二鳥です。

毛細血管が1本1本見えないタイプ

このタイプが一番やっかいです。毛細血管が1本1本透けて見えないものでは、レーザー光を照射しても実際に毛細血管に的確にあたっているかどうかが分かりません。このタイプの赤ら顔には「中空照射」というテクニックを使用します。元々、毛細血管が1本1本認識できないので「めくらめっぽう」に照射します。片頬で3000ショットは照射します。この照射方法で1ヶ月毎に5回程度治療します。完全には赤ら顔は消失しませんが、明らかに改善します。非接触的な治療なので痛みや腫れが少なく、直後からのお化粧も可能です。また、この中空照射は赤ら顔治療と同時に皮膚の小じわを改善したり、うぶ毛をとばしてしまう作用も期待できます。
もう1つの治療方法であるI2PLはこのような1本1本見えていない毛細血管にこそ有効です。レーザーのように何千発も照射する必要はありません。顔全体でも2~3分で治療が終了します。同じ部位を何度も治療する事はありません。ただしI2PLはそのパワーや深達性ではレーザーに一歩譲ります。ですから当院では最初の1~3回はI2PLで治療を行い、それでも残っている毛細血管に対してはロングパルスヤグレーザーの治療を行って患者様の満足度を高めています。

ロングパルスヤグレーザー(XEO)とフラッシュランプ(I2PL)の比較表

XEO接触照射
(ロングパルスヤグ)
XEO中空照射
(ロングパルスヤグ)
I2PL・VL2
(フラッシュランプ)
I2PL・PR
(フラッシュランプ)
波長 1064nm 1064nm 555~950nm 530~750nm
スポットサイズ 主に直径3ミリ 主に直径5ミリ 約1×5センチ 約1×5センチ
ヘモグロビンへの
吸収率
中等度 中等度 高い 最も高い
深部への到達度 最も深くまで作用する
(4ミリ程度)
あまり深くまでは作用しない 中等度 中等度
適応疾患 毛細血管が1本1本見えるタイプの赤ら顔、各種血管腫、深部静脈瘤 毛細血管が1本1本見えないタイプの赤ら顔 全てのタイプの赤ら顔 全てのタイプの赤ら顔
治療時間 両頬10分程度 両頬15~20分程度 両頬3分 両頬3分
痛み 中等度
(通常は麻酔不要)
無し 少ない 少ない
副作用 色素沈着、水疱形成 特にない 色素沈着 色素沈着
その他の効果 脱毛、しわやたるみ改善 しわやたるみ改善 シミやソバカス改善 シミやソバカス改善

血管腫の原因

血管腫は赤アザとも呼ばれています。生まれつきの場合が殆どですが、加齢による小さな血管の固まり(角化血管腫など)や外傷による血管腫などもあります。生まれつきの血管腫の原因は分かっていません。しかし、ある種の血管腫(スタージウェーバー症候群など)では遺伝的な要素があるのが分かっていますが、通常の血管腫では原因が分かっておらず、遺伝性もはっきりしていません。

血管腫のタイプと治療

美容外科で扱う血管腫は以下の4タイプに分類できます。

単純生血管腫

表面が平滑もしくはやや隆起しているもので生まれつきです。いわゆる赤アザと呼ばれるものです。成長とともに範囲が拡大してきますが、逆に色調は薄くなってきます。血管腫の治療は年齢的に早ければ早いほど効果的ですので、顔面や首、上肢などの血管腫では幼児期からの治療が現在では一般的です。生まれた病院でそのままレーザー治療を行ったり、レーザー治療の出来る医療機関を紹介されたりするはずです。現在では幼少時から治療を受けている方が多いので、若い方で未治療の患者様がクリニックを受診する事は少ないです。当院を受診される方は「レーザーで治療できる事を知らないで成人になった方」「既にレーザー治療を受けたけれども完全に消えていない、結果に満足していない方」が主に受診されています。治療はロングパルスヤグレーザーを使用します。幼少時の治療ではダイレーザーが一般的ですが、成人になっても残っている血管腫に対してはロングパルスヤグレーザーの方が効果的です。

苺状血管腫

表面がモコモコと隆起しているタイプの血管腫です。この血管腫はそのまま放っておくと徐々に小さくなりますので、10年前位までは治療は不要、という考えでした。確かに治療をしなくても自然に小さくなってしまうのですが「出産後のお腹の皮膚と同様に」皮膚がシワシワになって余ってしまい、見た目が良くありませんでした。ですから、現在では積極的に幼少時からレーザー治療を開始して早く血管腫を縮小させた方が皮膚も引き締まってよりきれいに治る、という考えの元に治療を行っています。この苺状血管腫も幼少時(目の周りの場合は生まれて直ぐ)からの治療が一般的ですので、初診で我々美容外科を受診する事は殆どありません。主にレーザーで治療しますが、部位や大きさによっては切除縫合する場合もあります。

老人性血管腫・被角血管腫

加齢や体質で顔面や体幹に出現する「血管の固まり」です。血管によるホクロのようなものです。直径12ミリの大きさのものが殆どです。局所麻酔無しでロングパルスヤグレーザーで治療します。陰嚢に現れるものを被角血管腫と言いますが、治療方法は同じです。

外傷性血管腫

外傷が原因となって出来た血管腫です。唇を噛んでしまった後から徐々に膨れあがって元に戻らない「血豆」のような状態の事があります。1センチ以上に大きくなる場合もあります。CO2レーザーで治療しますが、大きいものでは出血のコントロールが難しく、切除縫合した方が良い場合もあります。

静脈瘤の原因

静脈瘤とは何らかの原因によって静脈の血流が悪くなり、静脈血が鬱滞してしまい、そのために静脈の血管が浮き上がってしまい、皮下に蛇行して見えている状態です。ふくらはぎや太ももによく見られます。血管が細くて皮下の浅いものでは赤色や赤紫色に透けて見えます。血管が太くて深部にあるものでは青っぽく見えてしまいます。深部静脈血栓症DVT(Deep Venous Thrombosis、エコノミー症候群という名前で知られています)の兆候としても気をつけたい症状です。

日本人はあまり気にしない方が多いのですが、白人の方は結構気にする様です。当院でも白系の外国人の患者様が多いです。

静脈瘤のタイプと治療

血管の太さが1~2ミリ以下で表在性のもの

ロングパルスヤグレーザーもしくはI2PLで治療を行います。1回だけの治療で殆どが改善します。直ぐに効果が実感できるタイプです。

血管の太さが3~5ミリで表在性のもの

ロングパルスヤグレーザーで治療を行います。これくらいの血管径となるとI2PLなどのフラッシュランプでは効果が期待できません。やはり「レーザー」が適応です。レーザーは直径5ミリスポットのものを使用します。

血管の太さが3~5ミリで深在性のもの

これもロングパルスヤグレーザーで治療を行います。このように深部で太めの血管はロングパルスヤグレーザーでないと中々治療できません。ただし、深部なのでかなり出力はアップ(200J以上)しなければなりません。出力を上げた分だけ皮膚潰瘍や皮膚の凹みなどの副作用の可能性が出てきます。

血管の太さが6ミリ以上で深在性のもの

一応、ロングパルスヤグレーザーの適応と言われていますが現実的には副作用が怖くて治療対象外です。痛みなどの症状があるものでは外科的なストリッピングや硬化療法などをお勧めする場合もあります。

外科的なストリッピングや硬化療法の詳細

静脈瘤の硬化療法とは濃い食塩水や界面活性剤などの硬化剤を静脈に注射し、血管の内側の静脈瘤部分の血液の流れを閉塞してしまう方法です。皮膚を1センチ程度切開し、閉塞させたい部分の静脈の上端を糸で縛っておいてから注射するのが確実で、最近の主流です。縛るだけでも改善する場合も多くあります。静脈瘤の出来ている静脈そのものを取る手術もあり、ストリッピングと呼んでいます。血管にワイヤを通して先端を固定し、抜き取ります。硬化療法が難しい太めの血管にも使える方法ですが、周囲をキズつけやすく、数日の入院が必要です。深部静脈血栓症が無ければ、皮膚表面の血管を除去しても特に問題ありません。

副作用・後遺症・再発

カサブタ形成

ロングパルスヤグレーザーでは起きにくい現象です。ダイレーザーの585nmという波長やI2PLの530~750nmの波長帯は血管のヘモグロビンに最もよく反応する一方、表皮のメラニン色素にも反応してしまいます。即ちダイレーザーやI2PLはヘモグロビンとメラニンの2つに反応してしまうのです。ですから血管治療を目的としていても表皮にも反応してしまい、場合によってはカサブタを作ってしまうのです。

しかし、この事は逆に言えば「赤ら顔治療と同時にシミやソバカス治療が出来る」という事です。特にI2PLでは目立たないカサブタ(マイクロクラスタ)しか出来ませんのでお化粧でカバー可能で1週間程度で洗顔によって剥がれ落ちてしまいます。お化粧さえしっかりすれば仕事や日常生活には支障ありません。

色素沈着

特にスキンタイプの黒い方で起きやすいです。紫外線カットやハイドロキノン等の外用薬が必須です。通常は数ヶ月で軽快します。

瘢痕形成

前述のカサブタ形成や色素沈着がひどくなると瘢痕形成と言って皮膚が傷っぽくなってしまいます。具体的には「皮膚が白っぽくなる」「皮膚の表面がテカテカする」「皮膚が多少引きつれる」などの状態を呈します。

水泡形成

照射パワーが強すぎたり、同一部位に複数回照射してしまった場合に起きる可能性があります。水疱形成後にカサブタや色素沈着となる可能性があります。

皮下内出血

血管がレーザー光で焼灼された際に血管が切れてしまうと血液がその周囲に漏れだしてしまい内出血斑となります。ロングパルスヤグレーザーでは起きにくく、ほとんどがダイレーザーで治療した場合に起こります。通常は10日前後で吸収されてしまいますので、残ってしまう事はありません。お化粧でカバー出来ます。

再発

頬の赤ら顔では、前述したように体質的、環境的な要因が大きいので、レーザー治療によって改善した毛細血管拡張症が年月とともに徐々に再発してくる傾向にあります。下肢の静脈瘤でも同様です。そのような場合では再度のレーザー治療をお勧めします。一方、単純性血管腫の治療では再発はありません。

料金表

以下の料金表の通りですが、治療範囲や血管の本数などで多少料金は変わってきます。正確な料金は診察の上で決定されます。

料 金 治療回数
赤ら顔
(毛細血管が1本1本見えるタイプ)
両頬1回 30,000円
(6回目以降は20,000円)
1~3回程度
(毛細血管の密度による)
赤ら顔
(毛細血管が1本1本見えないタイプ)
両頬1回 30,000円
(6回目以降は20,000円)
1~5回程度
単純性血管腫 基本料金は1×1センチで10,000円
5×5センチ程度で30,000円
(広範囲の場合は要相談で割引き有り)
1~5回程度
老人性血管腫・被角血管腫
(直径1~2mmの血管の固まり)
1カ所 7,000円
(3個同時に治療するとその内の1個が無料)
原則1回
下肢静脈瘤 10×10センチ程度で50,000円
(広範囲の場合は要相談で割引き有り)
1~3回
(毛細血管の密度による)