しわ・たるみ・若返り
 ~ 糸リフト・スレッドリフト・スプリングリフト ~

切らずにアゴや頬の皮膚のたるみ、ほうれい線、ブルドッグ顔を改善させる、即効性と持続性のある治療方法です。宇都宮院では非吸収性の糸を主に扱っています。

糸リフトとは

糸リフト(スレッドリフトとも呼びます)には実に様々な種類、メーカーがあるようです。共立美容外科宇都宮院では非吸収性の「スプリングリフト」を主に行なっています。(2022年8月現在)フェイスリフトのような外科的な手術でなく、特殊な糸を皮下組織(主に皮下脂肪層)に挿入して糸のCOGコグ(引っかかり)でたるんだ皮膚を持ち上げる方法です。
局所麻酔で可能な即効性のある治療方法です。

糸リフト(スレッドリフト)の種類

糸リフト(スレッドリフト)には実に様々な種類、製品があります。糸の材質的にはPDOやPDSに代表される「吸収されてしまう糸」とスプリングリフトなどに代表される「非吸収性の糸」の2種類があります。また、糸の牽引方法としては糸を筋膜や骨膜などの比較的固い組織に縫合固定するタイプ(フィックスド)と固定が必要ないタイプ(フローティング)の大きく2つに分けられます。宇都宮院で主に使用しているスプリングリフトは「非吸収性の糸でフローティングタイプ」となります。

糸リフト(スレッドリフト)の歴史

糸リフトの最初はアプトスと呼ばれる「バーブと呼ばれる引っかかりがついたナイロン糸」だったと記憶しています。このアプトスを湾曲させて皮下に挿入して、その反発力で皮膚や皮下組織を引き上げる、というものでしたが当然効果は非常に低く直ぐに戻ってしまう事も多かったようです(当院では殆ど行なっていません)その後にワプトス(アプトスをループ状にして筋膜に縫合固定するもの)やXtosisi(アプトスをX状に交差させて使用)、シルエットリフト(巨大なコグが8ヶ所付いており牽引力は強力だが元に戻るのも早い)、S-Sケーブルスーチャー(小切開を伴うもので単独では行わずフェイスリフトと同時に行う場合が多い)などが現れましたがいずれも現在は殆ど姿を消しています。
2015年頃からは韓国製のPDO、PDSなどの吸収糸による「ショッピングリフト」が急速に流行しています。リードファインリフトというのもこの種類です。しかし、あくまでも吸収糸なので1年〜1年半程度で糸は完全に吸収されて無くなります。「糸は吸収されてもその周囲にコラーゲンが生成されて牽引効果が長期に渡って続く」などとホームページや糸メーカーのサイトに書かれていますが、全く信じられません。2〜3ヶ月で効果が無くなってしまう場合が殆どで患者様の満足度は極端に低いと思います。他院で「溶ける糸を入れたけれども直ぐに戻ってしまい効果が少なかった」という患者様が多くいらっしゃいます。
また、吸収糸は溶けて吸収されるまでずっと効果が持続する訳ではなく、挿入されて約1ヶ月で「張力の80%が失われる」というデータがあります(PDS糸の場合)ので、本当に効果があると思われるのは2〜3ヶ月ではないでしょうか。

スプリングリフト

2010年の秋頃から日本に導入されている定番的な製品です。現在のところでは「最も効果が高い」と僕的に考えている治療方法です。従来のスレッドリフトで用いられていた糸は「固い伸縮性のない」ものでした。ですから、引き上げる力は強かったのですが、逆に元に戻る力も強く効果の持続性に欠けるものが多かったのです。
このスプリングリフトはフランスの「1st SurgiConcept社」で開発されたもので、一番の特徴は「糸自体に伸縮性がある」という点です。ですから食事をしても、カラオケを歌っても糸によって皮膚が引き攣れる事は殆どありません。非常に自然な表情が得られます。また、従来のスレッドリフトの糸はひっかかりが「点状のポイント(シルエットリフトでは最大8ポイント)」だったのに対してこのスプリングリフトは「糸自体が全て立体状コグ(引っかかり)」となっているために「ポイントではなく線状に立体的に引っかかる」ので効果が高いのです。

スプリングリフトの実際

側頭部の頭髪内に数mmの穴を開けて、そこからほうれい線や下顎に向けて片側8本(最低でも6本、4本では効果が極端に低くなります)のスプリングリフトの糸を「熊手」状に挿入します。
糸を挿入しただけでは上方に引き上げる力がありませんので、頬とは逆方向の頭髪皮下にスプリングリフトの糸を「熊手状の8本とクロス」させます。このクロスさせる事によって縫合固定を行わなくても8本の糸が上方に引き上げられる力が加わり、長期間継続されます。
皮膚表面は縫合しませんので抜糸も不要、洗顔やシャンプーは翌日から必須(可能ではなく必ずしてください)です。
元々、糸に過度の緊張がかかっていませんので「外れる」という事がありません。
最長で9年以上の経過を見ているモニター患者様がいらっしゃいますが、5~6年程度は効果が持続する患者様が多いです。(2022年8月時点)



術前正面では二重あごが一番気になる、とのことでした

術後1ヶ月、二重あごが改善されて頬にボリュームが出て若く見えます

術前左斜めでは二重あごとマリオネットラインがはっきりと分かり、下垂した顔貌となっています

術後1ヶ月、二重あごだけでなくマリオネットラインが改善し、下顎~頬がリフトアップしています

術前右斜めでは二重あご、ほうれい線とマリオネットラインがはっきりと分かります

術後1ヶ月、二重あごだけでなくほうれい線とマリオネットラインも明らかに改善しています。顔の下1/3のボリュームが上方へ移動して若々しく見えます。


治療前の正面
ブルドック顔がきになります。

片側8本のデザイン

治療後3日目
腫れや内出血がまだ残っていますが効果ははっきり実感できます。

治療後1ヶ月後
リフトアップ効果が素晴らしいです。10歳若返った印象です。

1年後
フェイスラインがしっかりアップしていますがほうれい線は残っています

約2年後
フェイスラインはまだまだ下垂していません。ヒアルロン酸注入により若返りました。

3年後の正面です。下顎部の下垂が出て来ていますが、まだまだ治療前のブルドック顔には戻っていません。ほうれい線にヒアルロン酸注入を行った直後なので、少し内出血があります。

丸4年経過後の正面写真です。3年前よりも更に加齢が進んでいますが、ブルドック顔には戻っていません。患者様の満足度もまだまだ高いです。

丸5年経過後の正面写真です。4年前よりも少し若返った(リフトアップした)印象さえあります。まだまだ、スプリングリフトの効果が持続しています。

治療前の斜め左です。

デザインです。片側8本です。

治療後3日目です。

治療後1ヶ月後です。

3年後の左斜めです。フェイスラインのアップは続いており、まだまだ治療前のブルドック顔には戻っていません。ほうれい線にヒアルロン酸注入を行った直後なので、少し内出血があります。

丸4年経過後の左斜め写真です。3年前と比べると僅かにフェイスラインの下垂が現れていますが、ブルドック顔には戻っていません。患者様の満足度もまだまだ高いです。

丸5年経過後の左斜め写真です。右側よりもフェイスラインのリフトアップ効果が高いのが分かります。まだまだ持続しています。患者様の満足度も高いです。

治療前の斜め右です。

デザインです。片側8本です。

治療後3日目です。

治療後1ヶ月後です。

3年後の右斜めです。フェイスラインのアップは続いており、まだまだ治療前のブルドック顔には戻っていません。

丸4年経過後の右斜め写真です。それなりに加齢が進んでいますが、3年前と比べてもそれ程老化した印象はありません。患者様の満足度もまだまだ高いです。

丸5年経過後の右斜め写真です。少しフェイスラインの下垂(たるみ)が現れてきていますが、まだまだ効果が持続しています。


治療前の正面です。

片側4本挿入後。かなり改善しています。

更に4本を追加しました。
顔の下1/3がかなりシャープになりました。

1年8ヶ月後、加齢による下垂は進んでいますが治療前よりは顔の下1/3がリフトアップして、頬付近にボリュームが出ています。

治療前の右斜めです。
ブルドッグのように頬が下がっています。

4本挿入後です。劇的に改善しました。

更に4本、合計8本挿入後です。
更に改善してタルミが殆ど目立たなくなりました。

1年8ヶ月後の右斜め写真、治療前よりは明らかにリフトアップしている効果が続いています

治療前の左斜めです。
ブルドッグのように頬が下がっています。

4本挿入後です。劇的に改善しました。

更に4本、合計8本挿入後です。
更に改善してタルミが殆ど目立たなくなりました。
頬の辺りが持ち上げられた皮膚で少しボリュームアップしていますが、気にならないレベルです。首もスッキリした印象になりました。

1年8ヶ月後の右斜め写真、治療前よりは明らかにリフトアップしている効果が続いています。


治療前の正面、この方のフェイスラインはそれほど崩れていません。いわゆる「ブルドック顔」にはなっていないので「老化予防」も含めて治療を行いました。

片顔に8本のスプリングリフトを挿入しました。治療後約1ヶ月です。

治療前の左斜め

フェイスラインがすっきりして、ほうれい線とマリオネットラインが浅くなっているのが分かります。

治療前の右斜め

二重あごやフェイスラインがアップしてすっきりしました。特に顔面の下1/3がアップして若々しく見えます。


治療前の正面

約1ヶ月後、改善はしていますが頬のたるみは残っています

治療前の右斜め

約1ヶ月後の状態、改善はしていますが頬のたるみは残っています。後日、追加手術を予定しています。

治療前の左斜め

約1ヶ月後の状態、改善はしていますが頬のたるみは残っています。後日、追加手術を予定しています。

治療中で糸が出ている状態

治療直後の状態、腫れてはいますがそれ程でもないと思います

治療前のデザイン、頬に8本頭髪部に2本挿入します

治療中で糸が出ている状態

治療直後の状態

治療前のデザイン、頬に8本頭髪部に2本挿入します

治療中で糸が出ている状態

治療直後の状態

併用療法

スプリングリフトは単独でもしっかり効果は得られるのですが、より満足度の高い結果をご希望の場合は他の治療方法との組み合わせも有効です。

ヒアルロン酸注入 スプリングリフトでは完全に消えなかった「ほうれい線」や「マリオネットライン」「目の下のクマ」などに対して有効です。また、スプリングリフトで適応の無い眉間や額のシワにもお勧めします。
HIFUハイフ スプリングリフトが作用する皮下組織よりも深部の筋膜に作用して顔をリフトアップさせます。
ダーマペン4 美肌治療の定番のダーマペン4を併用する事でお肌自体の若返りが得られます。

スプリングリフトの料金

色々なタイプの糸が出回っていますが、実際に当院で行っているのは殆どが「スプリングリフト」です。
今後も様々なタイプの糸が開発、販売されてくると思われますので、その都度、効果が高く安全性の高いものを導入していきます。

スプリングリフト
効果の持続 5~6年以上が多い
適応 顔面、首など
レントゲン 写らない
抜糸 不要
再手術 可能(同一部位は2回程度まで)
洗顔・シャンプー 翌日から必ず行う
副作用、トラブル ・たるみが多い方では「皮膚の余り」が残る
・頬骨が横に張り出している方では一層強調される
・1ヵ月以上経過すると糸の抜去が困難
・感染(当院では12年間で4名)を起こす可能性があり、その場合は原則的に抜去する必要がある
・頭痛(当院では12年間で1名のみ、1ヶ月で軽快)
院長コメント ・糸の伸縮性のために顔に表情を作っても自然な仕上がり
・糸に余分な力が加わらないために効果も一番長く持続する
・過去にフェイスリフト手術などで皮下に癒着があると効果が低くなる可能性がある
セット料金 両頬8本 308,000円
両頬12本 396,000円
両頬16本 484,000円(お勧めです)
両頬20本 572,000円

 

各種Q&A

スプリングリフトはどれくらい効果が持続しますか?

個人差はありますが5、6年持続する方が多いです。

感染する事は無いのですか?

感染は全く無い訳ではありません。宇都宮院ではスプリングリフトを導入以来4名の患者様が感染を起こしました。最も早い方では治療後2週間、最も遅い方では治療後4年半です。感染の程度にもよりますが、感染を起こした場合は糸を抜去しなくては治りません。

感染予防対策は行なっていますか?

感染予防のために「前日からの抗生剤内服」「治療当日の抗生剤点滴」「治療直前のシャンプーの推奨」「治療翌日からの洗顔とシャンプーの義務化」「治療後1週間の抗生剤内服」などを行なっています。

感染以外の副作用はありますか?

因果関係ははっきりしていませんが頭痛が約1ヶ月続いた患者様が1名います。自然に治ってしまった、との事でした。

糸が皮膚の下で触れたりしませんか?

スプリングリフトの糸が挿入されている場所は皮下組織(主に脂肪層)です。糸自体が元々柔軟性のある素材ですので、皮膚の下で触れる事はありません。お顔のマッサージを受けたりしても分かりません。

糸が口の中から飛び出たりしませんか?

糸リフトの初期に使われていたナイロン糸のアプトスなどでは、術後に口の中の粘膜から糸が飛び出てきた、という症例が少なくなかったようですが、スプリングリフトではそのような症例は見たこともなければ聞いたこともありません。

元に戻す事は可能ですか?

個人差がありますが治療後1ヶ月くらいするとスプリングリフトのコグ周囲が繊維化して固定されてしまい、糸だけを引き抜く事は非常に困難になります。元に戻すことは難しいと理解して下さい。

レントゲン写真やMRIには写りませんか?

レントゲンには写りません。MRIで写る可能性はありますが、現実的には全く分からないレベルです。

スプリングリフトは厚生労働省で認可されていますか?

残念ながら認可されていません。僕の知る限り、糸リフトで使用する糸は吸収性、非吸収性を問わず全て未認可の外国製品です。医師の責任の元に個人輸入して使用しています。スプリングリフトはフランスの1st SurgiConcept社の製品で12年以上の歴史があり、今までに製品上のトラブルは報告されていません。

スプリングリフト治療後にヒアルロン酸やボトックス注射を受けても問題ないですか?

はい、全く問題ありません。逆に様々な治療方法を併用する事によって相乗効果が得られますので、お勧めです。

何度でもスプリングリフトを追加して行うことは出来ますか?

効果の持続が長いでので、頻繁に追加する必要はありませんが、追加治療は可能です。ただし、皮下脂肪層の少ない(薄い)方では2回までの治療回数をお勧めします。

過去に皮膚切開を伴うフェイスリフト手術を受けているのですが、この場合でもスプリングリフトを行う事は可能ですか?

はい、治療は可能ですが過去のフェイスリフト手術によって皮下組織が瘢痕化や癒着しているとスプリングリフトの牽引力が低下してしまう可能性があります。過去に皮膚切開して皮膚やSMAS筋膜の剥離を伴う手術を受けていない方が最も良い適応です。

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