眼瞼黄色種(がんけんおうしょくしゅ)

治療方法は切除縫合のみをお勧めしています。

眼瞼黄色種とは?

脂質(コレステロール)の代謝異常で出来るとされています。若年者には殆ど見られないので、加齢現象の1つとも言えます。
血液検査を行なっても脂質異常がない場合も多く、原因ははっきりしていません。
血管外に漏れ出した脂質(コレステロール)をマクロファージ(貪食細胞)が貪食し、蓄積してしまった状態が眼瞼黄色種です。
瞼の上下、鼻寄りの部位に現れることが圧倒的に多いです。1度に4ヶ所とも出来ている患者様もいらっしゃいます。

治療のポイント

レーザー治療の対象外と考えています
淡黄色で盛り上がっていて表皮(皮膚の浅い部分)だけの病変ではなく真皮(皮膚の深い部分)まで達しているので、炭酸ガスレーザー治療の対象となりません。
ほぼ全例で真皮層までの皮膚全層の切除縫合を行います。
しかし、眼瞼黄色種は脂質代謝異常が原因ですので、切除縫合しても同一部位での再度の脂質蓄積の可能性は否定できません。再発の可能性が否定できない、という事です。

治療の流れ

    1. カウンセリング・診察
      一見して特徴的なものですから診断に迷うことは少ないと思います。治療を行わないと増大傾向にある事、治療を行なっても再発のある事、治療を行わなくても生命や視力には支障のない事、などを十分に説明します。
    2. 実際の治療
      切除縫合が基本です。眼瞼黄色種が小さい程、瞼の変形が少ないのですが、下記の症例写真の方のように眼瞼黄色種が大きいと二重ラインの変形や一時的な兎眼(白目が見えてしまう状態)などの可能性もあります。また、眼瞼黄色種の大きさによっては切除縫合が出来なくて「皮弁形成」や「皮膚移植」が必要になる可能性もあります。
    3. 治療経過
      一般的には「局所麻酔下に切除縫合」→「約1週間後に抜糸」→「約3〜6カ月で傷が落ち着く」という経過です。
      患部の洗顔は48時間後から可能です。シャンプーやシャワー浴は当日から可能です。
      サウナや飲酒、運動は最低48時間は控えて下さい。
      以下に治療経過の写真を提示します。

➀治療前の状態、左側の黄色種の方が明らかに大きいのが分かります。

②眼瞼黄色種を含めて全体的に上まぶたのたるんだ皮膚を切除縫合しました。縫合直後の状態です。左目は皮膚切除量が多くは兎眼となっています。

③1週間後の抜糸直後の状態。下眼瞼の皮下出血斑がまだ残っています。

④手術後約1カ月の状態です。目を閉じると傷はまだはっきりと分かります。

⑤治療後約3ヶ月の閉眼時の状態です。術後1ヶ月時点の写真と比べると傷は目立たなくはなっていますが、まだまだ分かります。痛みや兎眼は全くありません。

➀手術前の開眼時の黄色種。この方の黄色種は淡黄色なのでそれほどは目立ちません。

②手術後1週間の抜糸時の状態。まだ腫れが残っていますし、下眼瞼にまで内 出血斑が及んでいます。

③手術後約1カ月の状態。眼瞼黄色種切除によって二重の幅が特に内側で広くなっています。たるみが取れて一石二鳥とも言えますが、まだ違和感が残っています。

④治療後約3ヶ月の状態です。目を開けていれば傷はそれ程目立ちません。やはり左目尻の皮膚切除が足りなかったと反省です。患者様は「気にならない」との事でした。

料金表

片目 両目 院長コメント
上眼瞼黄色種のみ切除縫合 110,000円 220,000円 麻酔代、薬代、抜糸代含む。
上眼瞼黄色種以外の皮膚切除も伴う場合 184,800円 308,000円 上眼瞼たるみ取りに準じます。
下眼瞼黄色種 110,000円 220,000円 大きさによっては下眼瞼外反の可能性があります。その場合は皮弁形成や皮膚移植をお勧めする場合があります。
皮弁形成による眼瞼黄色種切除 198,000円 396,000円

診療案内