しわ・たるみ・若返り
 ~ フラクショナルレーザー(フラクセル2、eCO2) ~

2つの作用でお肌を若返らせます。

古い皮膚を新しい皮膚に置き換えてベビースキンに!

フラクショナルレーザーとはeCO2(CO2レーザー10,600nm)やフラクセル2(エルビウムグラスヤグレーザー1,540nm)に代表される「皮膚に垂直方向に穴を開けて皮膚を入れ替える」という種類のレーザーです。他にもアンコア(ルミナス社)やパールフラクショナル(キュテラ社)などの製品が販売されています。

この波長は通常の美容外科で使用されているレーザーの特徴である「ある一定の色、色素に反応する」という性質からは外れており「水分を含んだものに反応する」という性質が強くなっています。(ほくろやイボの治療で使用する炭酸ガスレーザーもこの水分に反応するという性質を持っています)皮膚は当然水分を含んだ組織ですのでこの波長に反応します。

このレーザーを直径80~300μm、深達度最高約2.5ミリ、照射間隔約0.2~0.3ミリで「皮膚に針で穴を開けるように」照射していきます。照射直後は生け花で使う剣山(針が密集したもの)で皮膚に孔を開けたような状態を想像してください。

eCO2(CO2フラクショナルレーザー)

美容医療の世界で2009年頃から普及してきた新しいカテゴリーのレーザーのことです。レーザーを極小のドット(点)状に照射する技術(フラクショナル化)により肌へのリスクやダウンタイムを抑えつつ安全で効果的な皮膚の入れ替えを行います。当院では今までフラクセル2(リライアント社)というフラクショナルレーザーを導入していましたが、2010年5月からは新たにルートロニック社製のeCO2(エコツーと呼びます)を導入しています。

eCO2とフラクセル2との違い

従来から当院で活躍していたフラクセル2との大きな違いは「レーザーの到達深度」と「スポットサイズ」です。


フラクショナルレーザーの治療前正面です。ニキビ跡の凹凸の程度もひどく、活動性のニキビも残存しています。

フラクショナルレーザーの治療前左側面です。

フラクショナルレーザー(フラクセル2を5回、eCO2を2回)の治療後の正面写真です。この患者様は顔面のヒゲ脱毛(ロングパルスヤグレーザーXEOを5回)も同時に行いました。

フラクショナルレーザーの治療後の左側面写真です。正面写真よりも改善したのがはっきりと分かります。

eCO2の照射直後です。フラクセル2と違って皮膚表面の点状のドットが直視出来ます。既に点状出血が見られますが、この後もう少し出血します。出血部位は点状のカサブタとなり、3~4日で剥がれ落ちます。ダウンタイムのある治療なので、マスクを着用します。

治療対象

ニキビ(活動性)、ニキビ跡(凹凸、色素沈着)、毛穴の開き、傷跡、妊娠線、アザなどが治療対象となります。ほとんどの皮膚表面の悩みに適応があります。特に拡大した毛穴、凹凸の程度の大きいニキビ跡にお勧めです。

治療回数と治療間隔

程度や個人差(年齢、皮膚の厚み、スキンタイプなど)がありますが以下が目安です。

症状 治療回数 治療間隔 院長オススメ度
ニキビ跡 3回~ 1ヶ月~2ヶ月 ☆☆☆☆☆
ニキビ(活動性) 2回~ 1ヶ月 ☆☆☆☆
毛穴の開き 2回~ 1ヶ月~2ヶ月 ☆☆☆☆
傷跡 3回~ 1ヶ月~2ヶ月 ☆☆☆☆☆
妊娠線 3回~ 1ヶ月~2ヶ月 ☆☆☆☆☆
アザ、入れ墨 5回~ 1ヶ月 ☆☆

治療の流れ

  1. 洗顔(治療部位も周辺までを洗顔してメイク等を落としてもらいます)
  2. カウンセリング(担当医師と十分にカウンセリングを受けて頂き、eCO2の適応かどうかを決定します。フラクセル2レーザーと組み合わせたりする場合も多くあります)
  3. 麻酔クリーム(当院オリジナルの20%リドカインクリームを30分程度塗布してお待ちいただきます)
  4. 照射(実際にeCO2を照射します。照射時間は短く鼻で1分、両頬でも5分程度です。麻酔クリームで十分に我慢でいる程度の痛みですが、広範囲の場合は冷却エアを吹きかけながら行う場合もあります)
  5. 冷却、薬剤塗布(照射後は十分に冷却を行い熱感を取り去ります。また、炎症や腫れの軽減のために軟膏を塗布します。また、高濃度ビタミンCローションなどの塗布も行います)
  6. アフターケア、検診(紫外線カットが必須です。自宅では軟膏や高濃度ビタミンCローション、皮膚成長因子剤、皮膚保湿剤などの塗布を適宜行ってもらいます。1週間後、1ヶ月後の最低2回の検診をお勧めしています)

症例写真

手術後の傷跡もかなりきれいに改善しています。傷の凹凸が平坦化しているのが分かると思います。フラクセル2が毛穴の拡大やニキビ跡の凹凸の次に得意な治療が傷跡です。唇裂 手術後の傷跡や小鼻縮小後の鼻翼の傷跡、目頭切開後の傷跡にも有効です。当院でも別の手術を行った後の傷跡が気になる患者様に応用して重宝しています。

リスク・副作用

PIH(治療後の色素沈着)→これはどのようなレーザー治療にも言えることです。eCO2はフラクセル2よりも出力は高いのですが、皮膚に穴を開ける数(スポット数)が圧倒的に少ないので、フラクセル2よりもPIHは起きませんし、起きたとしても軽度です。ハイドロキノンクリームで対処します。

赤み、腫れ→必ず現れますが数日で治ります。顔全体を照射した場合は1週間程度を覚悟しておいて下さい。

出血、カサブタ→本当に出血が見られるのは治療当日1日だけです。出血後は点状のカサブタ(血液の固まり)となります。無理に洗顔すればこのカサブタは直ぐに剥がれ落ちてしまいますので、「どうしても翌日からお化粧しなければならない」という場合も対応は出来ます。ですが、WPRP(→詳細はWPRPのページ)治療でも広く知られているように「血液の中には皮膚を再生、成長させる重要な成分がふくまれています」ので、カサブタを数日付けたままの方がより良い結果が得られます。

ニキビの一時的悪化→これも殆どのレーザー治療に言える事ですが、活動性のニキビに関してはレーザー照射による熱刺激によって一時的に活動が活発化することがありますが、最終的には皮脂分泌の低下や炎症の低下によってニキビは改善します。

感染、皮膚炎→治療部位にヘルペスやアトピー性皮膚炎などがある場合はそれらの症状が悪化する可能性がありますので、治療は控えます。

料金表

料金には全て麻酔クリーム、冷却、軟膏、ハイドロキノンクリーム代を含んでいますが、アフターケア用の高濃度ビタミンCローション(1本7,700円)、皮膚成長因子剤(13,750円)等は別料金となります。

治療部位 1回
22,000円
キャンペーン価格 17,600円
両頬 66,000円
キャンペーン価格 52,800円
鼻+両頬 88,000円
キャンペーン価格 70,400円
口周囲 44,000円
キャンペーン価格 35,200円
小範囲 11,000円~
顔全体 132,000円
キャンペーン価格 105,600円
妊娠線、傷痕、アザ等 11,000円~

フラクセル2レーザー

下のイラストはフラクセルとフラクセル2の比較です。

2006年に導入されたフラクセルよりも2008年から導入している最新のフラクセル2の方がピンポイントでより深く治療が可能になっています。最高で皮膚表面から1.4ミリ(フラクセルは1ミリ未満)の深さにまで作用します。また、周囲に与える熱作用も軽減 されていますので、正常皮膚に対するダメージが少ないのも特徴です。

照射直後の皮膚表面の拡大図です。この状態では1センチ四方に2000個の目に見えないレベルの穴が開いています。この穴の部分の皮膚が入れ替わり、新しい皮膚をよみがえらせます。ただし、穴を開けすぎるとヤケドに近い状態となってきますので1回で改善できるのは皮膚表面積の10%が目安です。


フラクセル2には大きく分けて2つの作用があります。

1つは「熱収縮作用」です。レーザーで孔を開けるという事はすなわちレーザーで皮膚を蒸散させることです。フライパンでお肉を焼くとお肉が縮まるように、皮膚もレーザー照射によって縮まります。この作用によってたるみ、しわ、毛穴、ニキビ跡の凹みなどが改善されます。

もう1つは「皮膚の入れ替え作用」です。孔の開いた皮膚はそのまま、という訳にはいきません。当然孔の開いた部分は周囲から新しい皮膚が再生してきます。新しい皮膚は当然メラニンの少ない、きれいな皮膚が再生されてきますので、シミ、ソバカス、くすみなどに効果的ですし、皮膚を入れ替える事によって毛穴やニキビ跡、様々な傷跡、妊娠線、成長線、リストカット傷跡などに有効です。

最終的には毛穴の目立たない、シミやくすみのない、皮膚に張りがある、「ベビースキン」を目指します。

「毛穴」「ニキビ跡の凹み」「妊娠線や傷跡」に効果が得られます

フラクセルIIの治療効果は単一ではありませんので、患者様によっては一石二丁、三丁の効果が得られます。特に従来の治療方法やレーザーでは限界があった「毛穴」「ニキビ跡の凹み」「妊娠線や傷跡」に効果が得られます。

  • 熱による収縮作用→「たるみ、しわ、毛穴、ニキビ跡」
  • 皮膚の入れ替えによる作用→「しみ、くすみ、ソバカス、肝斑、傷、リストカット跡、妊娠線、成長線、毛穴、ニキビ跡、化粧のり、肌のきめの細かさ、皮膚の透明感」

殆どの皮膚の悩み、トラブルに対応していると言っても過言ではありません。きれいにならないものはホクロや隆起性のイボ、真皮のアザ(太田母斑や入れ墨など)だけです。

Before & After

ニキビ跡の凹凸の男性の方です。かなり改善しており、満足度も高いです。

女性の首のたるみ、シワ、シミの3つが改善しています。ただし、顔面よりは治療後の腫れや赤みが強く現れます。

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治療のポイント

レーザーを照射したエリアの周囲に健康な組織を残すのがフラクセルの画期的な発想です。

レーザー照射によって、剥がれ落ちる古い皮膚の部分を Microthermal Zone(MTZ)といいます。スポット径が80~180μm、照射深達度約0.3~1.4mm、スポット間隔200~300μm位ですので、肉眼では確認できません。照射密度と照射出力は変えることが可能です。照射出力に比例してフラクセルレーザーの深達度を0.3~1.4mmまで変えることもできます。

従いまして、深いシワやニキビ跡の凹凸といった皮膚深層(主に真皮)の引き締めやコラーゲンの再生効果を強く期待する場合は出力を上げるということになります。シミや軽度のシワなどの皮膚表層(主に表皮)の入れ替えをして若返りを図るというのであれば0.3mmの深達度でも効果が十分にあります。

実際の治療ではローラーの付いたプローベを皮膚表面を なぞるように往復させます。同一部位を3~5往復させます。治療前は麻酔クリームを塗って、30~60分後 に治療を開始します。

治療の流れ

1.洗顔

治療部位も周辺までを洗顔してメイク等を落としてもらいます。

2.カウンセリング

担当医師と十分にカウンセリングを受けて頂き、フラクセル2の適 応かどうかを決定します。eCO2との組み合わせで行う場合もあります。

3.麻酔

当院オリジナルの20%リドカインクリームを30分程度塗布してお待ちいただき ます。

4.照射

目を保護する目的でゴーグル等を装着して頂き、フラクセルレーザーを照射していきます。照射時間は両頬で10分程度です。照射中は痛みを低減する冷風装置Syner-Coolを併用します。患部を一回照射すると1平方センチあたり最高250個の目に見えない小さい孔をを皮膚表面に開けていきます。同一部位で8往復すれば1平方センチあたり2,000個もの孔が開きます。

5.照射後

治療後は再度洗顔して頂き、残っている麻酔クリームを完全に取り除き、治療部位を冷却します。また、炎症や腫れの軽減のために軟膏を塗布します。この冷却中には高濃度ビタミンCローション等を患部に塗布して、皮膚の若返りの相乗効果を得ます。

6.アフターケア、検診

紫外線カットが必須です。自宅では高濃度ビタミンCローション、皮膚成長因子剤、皮膚保湿剤などの塗布を適宜行ってもらいます。治療後の色素沈着PIHを予防、治療するためにハイドロキノンクリームを翌日から塗布してもらいます。通常のお化粧は翌日から可能です。

特徴

フラクセルIIは従来機種よりもパワーアップ、進達度が約1.5倍

フラクセルIIは従来機種よりもパワーアップし、皮膚への進達度が約1.5倍になりました。それとは逆に痛みは大幅に軽減されています。治療前に従来は必要だった青インクの塗布も不要になり、治療後の洗顔・お化粧も楽になっています。FDA(アメリカ食品医薬品局、日本の厚生労働省に相当する政府機関)で510(K)を取得し認可されている機種です。

フラクセルIIは以下の点で従来型のフラクセルよりも優れています。一覧表にしてみました。
具体的には「高出力」「痛みの軽減」「皮膚ダメージの軽減」「スピードアップ」「操作性向上」です。
※一覧表追加

これまで6~40mJだったエネルギーが4~70mJと幅広くなりました。この結果、お肌のシミ、くすみ除去などの比較的マイルドな治療から、よりアグレッシブな治療まで守備範囲を拡大しております。 特にエネルギーの深達度が治療成績の鍵となるニキビ跡、瘢痕、傷跡などの治療において著明な効果を発揮できるようになりました。

※最大エネルギー70mJにおいてもフラクセルはFDAの認可を取得しており、安心して施術を受けていただけます。
また、従来機では、高いエネルギー(25mJ以上)で照射すると、近隣のヒートショックゾーンがつながってしまい、強い痛みと副作用(術後の赤みの発生や腫れ、色素沈着など)を伴うため、実際の治療に用いることが困難でした。しかし、アップグレードしたフラクセル2はどんなエネルギーレベルであっても熱ダメージを一定に抑えます。そのため旧フラクセルでは使用が難しかった25mJ以上の出力をフラクセル2では実際の治療に用いることができる、治療時の痛みや腫れ、副作用のリスクを低く抑えられます。

リスク・副作用

色素沈着

日焼けした肌の患者様や元々日焼けを起こしやすい体質の患者様、レーザーの照射出力を過度に高くした場合などでは一時的に色素沈着を起こす可能性があります。ハイドロキノンクリームなどで対処しますが、治療前後の紫外線予防が重要です。明らかに日焼けを起こしている肌の方では、日焼けが治まるまで治療を待ったり、ハイドロキノンクリームなどで元の肌に戻してからの治療をお勧めする事があります。

赤み、腫れ、痛み

フラクセルはその性質上、どうしても皮膚表面の炎症(悪く言うと軽度の熱傷)を伴います。個人差や部位による程度の違いがありますが照射後2~3日の患部の赤みと腫れ、照射後30~60分程度のジンジンした痛みがあります。

皮膚のザラザラ感

フラクセル治療では1平方センチあたり最大で2000個の孔が開きます。その孔から代謝された表皮、真皮が脱落してきますので、照射後3日目位からザラザラした感触が出てきます。他人には分からない程度です。1週間程度でこのザラザラ感は無くなりますが、ザラザラしている期間は多少お化粧乗りが悪く感じられるかもしれません。

色調の変化(色抜け、ツートンカラー)

シミや肌のメラニンが多い方ではフラクセルを照射した治療部位だけがメラニンが少なくなりますので、その部位だけが白くなってしまったと感じる事があり得ます。極端に言うと「ツートンカラー」となってしまいます。顔全体にシミがある方や全体的にくすみがある方には顔の一部分だけの照射ではなく全体的な治療をお勧めします。

水泡形成

フラクセルの照射出力が強すぎたり、同一部位に連続で照射された場合に起こりえます。万が一、水泡形成が現れた場合はクリニックに連絡して診察を受けて下さい。通常は水疱部分がカサブタとなって、1週間程度で剥がれ落ちます。

微少出血

旧フラクセルでは最高でも40mJの出力だったために、皮膚への深達度は約0,9ミリだったものがフラクセル2では約1,4ミリ(70mJ)にアップしています。このために患者様によっては照射中によく見ないと分からない微少出血が現れる可能性があります。特にニキビ跡などで照射出力をアップさせた場合に起こりえます。逆に言えば微少出血が現れる位の方が効果が期待できます。微少出血があっても特に問題ありませんので、そのまま通常のケアを続けて頂きます。

一時的なニキビの出現、悪化

フラクセルIIはもちろん熱作用がありますので、その熱刺激によって皮膚の中の皮脂腺(皮膚を乾燥させないために脂を分泌する組織)が刺激を受けて、皮脂の分泌が活発になり、今まで治まっていたニキビが出来てしまったり、現在あるニキビが一時的にひどくなってしまう可能性があります。これは一時的なものですので、最終的には元に戻ります。

肝斑の悪化、潜在性肝斑の惹起

日本に導入当初はフラクセルレーザーは肝斑にも有効である、という触れ込みだったのですが、東洋人の場合は白人と違って、やはり肝斑を悪化させてしまう場合があるようです。また、肉眼的には殆ど分からなかった肝斑がフラクセルII照射によって浮き上がったように目立ってしまう事も経験しています。ですから、肝斑のある患者様ではあらかじめ肝斑の治療を行っておいて肝斑を消してからフラクセル2治療を行う、もしくはフラクセルII治療と肝斑治療を同時進行で併用します。

施術費用

1回毎
顔全体 110,000円
両頬 55,000円
両頬(鼻含む) 66,000円
鼻周囲 22,000円
目元 22,000円
55,000円
顔~顎下~首全体 165,000円
傷跡、妊娠腺 11,000円~
両手の甲 66,000円

 

診療案内