PRPとはPlateRichPlasmaの略で、日本語では「高濃度血小板血漿」と言います。血小板という言葉を聞いたことがあると思います。出血を抑える効果がある血小板だけを自分の血液中から抽出して濃縮した液体がPRPです。通常の血小板の約4倍の濃度が得られます。
WPRPとは従来からのPRPに自分の白血球(WhiteBloodCell)成分を添加して、より一層効果を高めた方法です。
血小板は一般的には「止血効果」で知られていますが、もう1つの効果として「成長因子放出効果」があります。このPRP注入療法は後者の成長因子放出効果(すなわち傷を治す働き)を主に利用したものです。
血小板の作用機序は、
PRPには、創傷治癒や組織再生に効果的な成長因子をふくむ血小板が高濃度に濃縮されていますから、コラーゲンの再生力が大いに期待できる治療です。PRP多血小板血漿が放出する成長因子には、次のPDGF、TGF-β、VEGF、EGFなどがあります。
また、患者様の血小板の濃度には個人差があります。血液学的な正常値は1ミリ立方あたり12万〜40万個と幅があります。仮に患者様の血小板数が12万個の方と40万個の方を比較した場合、約4倍の高濃度血小板が採取出来ますので、12万個の方は48万個、40万個の方は160万個となり、100万個以上の大きな差異が生じてしまう可能性があります。当然、元来の血小板の濃度が高い方ほど良い結果が得られる可能性が高いと言えます。
前述のように骨や血管の再生、新生に使われてきましたが、美容医療分野では主に「皮膚のたるみ」「皮膚のしわ」「目の下の凹みをふっくらさせる」「口元をふっくらさせる」などの目的で使用しています。目の周囲への注入が多いのですが、顔全体はもちろん、首や手の甲などあらゆる部位の治療が可能です。
特にコラーゲン注入やヒアルロン酸注入ではなかなか満足の得られない「ちりめん皺」にも適応があります。日本では2007年頃から普及している治療方法です。
PRPを作成するための器具と薬剤がセットになって販売されています。これをキットと呼んでいます。キットは数社から販売されていますが「セルリバイブ」と「リジェンACR」「My Cell」の3つが主に流通しています。
当院では現在は前者のセルリバイブを導入しています。(以前はリジェンACRも使用していました)セルリバイブはこれらのキットの中で唯一FDA(アメリカ食品医薬品局)とCEマーク(ヨーロッパでの認可)の両方の認可を受けているキットです。科学的な基礎データ、臨床データの裏打ちのある唯一の治療方法と言えます。一方のリジェンACRはFDAの認可は受けていませんし、フィルターの性能が安定せず(赤血球が混じる)、実際に使用した経験ではセルリバイブが優位な結果が得られています。
セルリバイブとは前述のようにWPRPを作成するためのキットの製品名です。従来のPRPだけではなく白血球成分も添加するのが特徴です。患者様から採取した血液を遠心分離器にかける際に血小板と白血球を分離するフィルターに特徴があり、従来よりも良好な高濃度血小板血漿が採取出来ます。約20ccの血液から約2ccのWPRPが採取されます。
セルリバイブにさらにbFGF(繊維芽細胞成長因子)を添加して、コラーゲン産生能力を大幅にアップさせた製品がセルリバイブ・ジータです。bFGFは一般的には「フィブラストスプレー」という商品名でも知られる皮膚を再生させる薬剤です。
従来は広範囲熱傷で皮膚が欠損した部位へ使用したり、難治性の潰瘍や褥瘡(床ずれ)などに利用していました。基本的にはこれと同一の成分をWPRPに添加して注入するものです。このbFGF作用によって強力にコラーゲン成分の再生を促進させます。
一般的な若返り、シワ取りの方法であるヒアルロン酸注入・コラーゲン注入はあくまでも外部から注入剤を皮膚内に充填させる事により、皮膚を厚くしたり皮膚に張りを持たせたりして若返りを図ります。当然、数ヶ月から1年程度で吸収されて元に戻ってしまいます。皮膚は厚くなったりはしていますが、老化したままの皮膚で、結局は「元に戻ってしまう」治療でした。
しかし、WPRP治療は皮膚を内部から「若返らせる」治療ですので、皮膚内部でコラーゲンなどの自己組織が増殖します。また、この増殖した自己組織は1年後に全く無くなってしまう訳ではありません。この点が根本的に違うと言えます。
はっきり言って、若返り目的のWPRP注入治療はまだ日本で普及してから1年半程度の歴史しかありませんので、長期的なデータが出ていないのが現状です。ただし、その作用理論からするとボトックスやヒアルロン酸注入のように吸収されて元に戻ってしまうものでは無いと考えられています。もちろん老化現象がストップしてしまう訳ではありませんので、WPRP注入治療後も徐々に加齢的な変化は現れてきます。
若返り目的ではない、歯科口腔外科分野ではこのPRP注入が始められてから8年程度の歴史がありますが、現在のところでは数年以内に歯槽骨が再度萎縮、減少してしまいインプラントの土台がぐらついてしまった、などという話は聞いていません。また、糖尿病性の下肢の血管病変に対しての治療でも一時的な効果しかない、という結果ではないようです。
正確なデータは今後の課題ですが、直ぐに元に戻ってしまう一過性の治療ではないと考えています。フィルターのメーカーでは1〜2年の効果、と言っていますが、かなり個人差がある事も事実です。現時点ではサーマクールのように維持療法として1年に1回程度の継続治療が望ましいと考えています。
WPRPは何度も言っているように「創傷治癒を促進させて、結果的にコラーゲンを生成させる」のが目的です。ですから、単純に若返らせたい部位に注入するよりは「傷ついている部位」に注入した方が効果があると考えられます。そこで、当院では「わざと皮膚にダメージを与えておいてから、その部位にWPRPを注入する」という方法を採用しています。具体的には皮膚表面に目に見えない細かい穴を開けて皮膚を若返らせるフラクセル2レーザーを照射しておいてから、WPRPを注入しています。当院でのWPRP治療には無料で3回分のフラクセルレーザーがセットになっています。
入れ墨消しなどで使用するQスイッチYAGレーザーはフラクセルよりも深部まで到達することが可能ですので、WPRPとの組み合わせにおいては、より高い効果が期待できます。ただし、フラクセルとの決定的な違いは出血してしまう事です。ですから、数日間のガーゼ貼付が必要となります。
WPRPにロングパルスヤグレーザー(XEO)による中空照射を追加することにより、麻酔不要・無痛・腫れがない、状態でコラーゲンの活性化を促進できます。お化粧も直ぐに可能ですので、最もダウンタイムの無い併用療法と言えます。WPRP治療のセットでフラクセルの代わりにこのロングパルスヤグレーザーを選択することも可能です。
目の下などにおいて、かなり深い凹みに対してはCRF脂肪注入との併用が非常に有効です。CRF脂肪注入によって深部のボリュームアップを行い、その上で皮膚表面の細かいシワやたるみをWPRPで改善する、という方法が理想的です。
各種若返りの治療方法を部位別に比較してみました。
WPRP (セルリバイブ) |
コラーゲン注入 | ヒアルロン酸注入 | ボトックス注射 | レーザー治療 | CRF脂肪注入 | 外科手術 (タルミ切除) |
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目の周囲 | WPRPの最も良い適応 | シワがあれば適応 | × | 表情シワのみに効く | フラクセルが良い適応 | 目の下の凹みには良い適応 | 目の下は最も有効 |
ほうれい線 | 有効 | 有効 | 最も有効な部位 | × | 適応が無い場合が多い | 深いほうれい線には適応有 | 難しい |
頬 | 有効 | シワがあれば適応 | シワや凹みがあれば適応 | 表情シワがあれば有効 | フラクセルが有効 | 凹みには有効 | 難しい。スレッドリフトが有効 |
顔全体 | 有効 | シワがあれば適応 | シワや凹みに適応 | 表情シワに適応 | フラクセルやXEOが有効 | × | フェイスリフトやエンドリフトが適応 |
首 | 有効 | シワには有効 | × | 有効な場合もある | フラクセルが有効 | × | 難しい |
現在はこの治療はおこなっておりません。
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