美肌の症例写真


この方は道路で転んだ際にアスファルトの細粒が皮膚の中に入ってしまい「入れ墨」状態になってしまいました。 このような状態を外傷性タトゥーと言います。
一般的な入れ墨治療と一緒で「QスイッチYAGレーザー」を照射しました。

1回照射後の1年後です。元々の入れ墨の色も薄かったので1回だけで完全に目立たなくなりました。もちろん再発もしません。


治療前

1回目レーザー照射後、約3ヶ月。
入れ墨の色は明らかに薄くなっていますがレーザー照射による色素沈着が現れています。

2回目レーザー照射後、約4ヶ月。まだ、色素沈着は残っています。

3回目レーザー照射後、約8ヶ月。入れ墨の黒い色は殆ど消えていますが入れ墨の「柄」が判ります。

4回目レーザー照射後、約1年半。
殆ど入れ墨が入っていたとは分からない状態になっていると思います。
ここまできれいになるには2年以上がかかっています。
患者様も大満足だと言っていました。





入れ墨消しの治療にはQスイッチYAGレーザーが第一選択です。アメリカでは「タトウーレーザー」とも呼ばれています。ここで使用するレーザーは黒い色に主に反応しますので、このような緑色の入れ墨では多少薄くはなりますが消えません。当院ではこのようなカラフルな入れ墨に対しては最初からレーザー治療をお勧めしません。



これは黒い色素以外にも赤、白、黄色などの色素が入っているタトゥーです。通常はレーザー治療の対象ではないのですが、結果的にはきれいさっぱり色素が無くなっています。これはアメリカでの症例写真なのですが、アメリカで使用されている入れ墨用のインクは日本のものと違ってレーザーで分解吸収されやすいもののようです。アメリカでタトゥーを入れて帰国した方はレーザー治療の対象となる可能性があります。QスイッチYAGレーザーを7回照射しています。



この方もアメリカでの症例です。赤い色に反応するレーザーはあるのですが(QスイッチYAGレーザーの中の532ナノメーターという波長)その波長特性のために皮膚深部まで作用しにくいレーザーですのでこのような赤い色のタトゥーは治療対象となりにくいのですが、アメリカ製のインクのためか、きれいになっています。QスイッチYAGレーザーを5回照射しています。



これは黒い色素だけの入れ墨ですのでQスイッチYAGレーザーの最も良い適応です。5回の照射できれいになっています。色素沈着もありません。



これも黒い色だけの入れ墨なのできれいになっています。QスイッチYAGレーザーを5回照射しています。右側の治療後の写真をよくよく見ると入れ墨の入っていた部分の皮膚が少し白っぽくなっています。これは「脱色素斑」と言って通常の皮膚の肌色がレーザー治療によって薄くなってしまう現象です。もともと色黒の方では少し気になる事もあります。



これは黒と水色の2色の入れ墨です。10回以上QスイッチYAGレーザーで治療していますが、黒以外は「薄くはなったけれども残っている」状態です。左側の治療前よりは改善してはいますが、これで満足な患者様はいないと思います。やはり最初から切除縫合などの別の治療をお勧めする症例です。


◆ 切除

治療前

1回目終了後

1回目切除皮膚

2回目終了後

2回目切除皮膚

3回目終了後

3回目の切除皮膚

4回目終了後、合計2年かかりました

4回目切除皮膚


腰部に黒、黄色、緑、赤の入れ墨が入っています。
2回に分けての分割切除を行いました。
女性の腰部は比較的皮膚に余裕があり、皮下脂肪も多い部位ですので切除は容易です。

1回目の切除組織、約80%は切除出来ました。

1回目切除後、約5ヶ月の状態。
皮膚に余裕が出来たので2回目の切除を行いました。

2回目の切除組織。完全に取りきる事が出来ました。

2回目切除後、約3ヶ月の状態。
線状の傷となり日常生活には全く支障ありません。
「交通事故で大怪我をしました」と言い訳すれば分かりません。


腰部に入っている入れ墨です。
黒の他にも紫が入っているのでレーザーでは完全に消せません。
2回に分けての分割切除を選択しました。

1回目の切除組織です。皮下脂肪も含めて切除します。

1回目の切除から約10ヶ月経過しています。
(仕事の関係で遅くなりました。通常は3~6ヶ月で2回目の切除が可能です)

2回目の切除組織です。縦方向だけでなく横方向にも三角形で2カ所切除しています。

2回目切除後、約3ヶ月の傷です。
まだ赤みがありますが、引きつれ感などは全くなくなり日常生活には支障がありません。
1本ではない「樹枝状の傷跡」に関しては「交通事故で大怪我をした」とか
「有刺鉄線に裸で接触して出来た傷跡」などと言い訳は出来ます。
社会生活上も温泉やプールなどに入れない、というストレスからも解放され、患者様としては満足との事でした。




この方は赤、緑、黒の3色の入れ墨で広範囲でしたので、切除縫合を行っています。本人のご希望で1回だけでの切除を行いました。入れ墨の幅が広めだったので縫い合わせた傷口の緊張が高く、少し幅が拡がった傷口となっていますが、1度だけの治療で入れ墨は取れています。線状の傷は残ってしまいますが色や入れ墨の入っている深さに関係なく治療できるのが「切除縫合手術」のメリットです。線状の傷を他人見られた場合は「昔の交通事故の傷跡です」とか「骨折を整形外科で治療した後の傷です」と言い訳できます。体の線状の傷を見ても誰も「以前にここに入れ墨が入っていたはず」とは思いません。実際の治療は歯科のような局所麻酔を行い、入れ墨の皮膚ごと切除して断端を縫合します。抜糸は1週間後です。抜糸後3ヶ月は傷がきれいになる茶色いテープを貼っていただき、過度な運動やスポーツは控えてもらっています。

 



上の写真と同じ患者様です。この場合は切除する部分が大きくないので、1回で治療は終了していますし、傷口への緊張(テンション)もあまり強くないので傷は比較的きれいな1本の線となっています。傷周囲が白っぽくなっているのは抜糸後傷を目立たなくするテープを貼っていたために、その部分だけ日焼けしなかったためです。



治療前→上腕の入れ墨です。ご存知のようにレーザーできれいになると約束出来るのは色が黒のものだけです。このように「赤」「オレンジ」「青」「黄色」などが入っているとレーザーを照射しても全体的に色が薄くはなりますが、満足出来るほどきれいにはなりません。上腕は皮膚の余裕のある部位ですので、この患者様の場合は切除縫合を行いました。

1回目手術後→1回目の切除縫合後1ヶ月の写真です。この患者様のように入れ墨の範囲が広い(横方向の幅が大きい)場合は1回だけの切除では全てを取りきれませんので、2回に分けて切除縫合を行う計画を立てました。(このように複数回に分けて切除する治療方法をSerial Excisionと呼んでいます)1回の切除縫合で2/3程度の入れ墨が無くなりました。傷口は1本の線状の傷となっていますが、治療前の入れ墨の長さと比べると、随分と傷が長くなってしまうのが弱点です。

2回目手術後→2回目の切除縫合後1ヶ月の写真です。まだ、傷口の赤みがありますが入れ墨は完全に無くなっています。傷周囲の皮膚の「横線」はテープ跡です。どのような手術でも抜糸後2~3ヶ月は傷をきれいに、目立たなくするためのテープを貼ってもらいます。(最近では美容外科、形成外科だけでなく帝王切開や虫垂炎手術後の傷跡にも使用されています)

1年後→2回目の手術後1年以上経過しています。傷の赤みは完全に消えています。皮膚のツッパリ感もありません。ただし、所々傷の「横幅」が拡大している部分があります。切除縫合の治療ではどうしても皮膚をかなりのテンションで引き寄せますので、「傷口が開く訳ではないのですが、傷口の皮膚が横方向に引っ張られて傷の幅が拡大する」ことがあり得ます。この患者様の場合はこれで十分満足ということでした。もちろん希望があればこの傷を再度切除縫合して、より目立たなく(傷の横幅を細く)することも可能です。このような線状の傷は「昔に骨折した際に整形外科で手術を受けた時の傷です」などと言い訳する事が可能です。このような線状の傷をみても「昔この人は入れ墨が入っていたのだろう」と考える人は誰もいないと思います。



治療前…この患者様の入れ墨は上腕に黒一色だけのものでしたが、普通はレーザー治療をお勧めするのですが、仕事の関係で「出来るだけ早く入れ墨を無くしたい、傷は残っても構わない」という条件だったので入れ墨の皮膚ごと切除縫合する治療を選択しました。レーザー治療の場合は3ヶ月毎に5回前後の治療が必要となりますので、1年半以上かかる事が一般的です。

1回目…切除と言っても横幅がある入れ墨でしたので、1回だけは切除しきれないので、2回に分けて治療を行う計画を立てました。写真は手術後1週間の抜糸前の画像です。糸がまだ付いています。糸は連続縫合してありますので、1針ずつ縫合していません。手術後はこの写真のように内出血が2週間程度あります。手術後1~2週間は皮膚が突っ張った感じが残ります。

2回目…1回目の手術後3~6ヶ月で皮膚が伸びてきて余裕が出てきますので、その頃に2回目の手術を計画します。この患者様の場合は仕事の関係で8ヶ月後に2回目の切除を行いました。写真は抜糸直後のものです。やはり内出血が残っており糸の跡も見えますが、これらは完全に消えてなくなります。かなり傷口の皮膚にテンションがかかっています。傷は最終的には1本の線となります。



治療前…手術前の写真です。上腕での入れ墨だったのですが、縦長(上腕の長軸方向)の入れ墨ではなかったので、横方向の傷として半袖シャツでも傷が目立たないようにデザインしました。

手術後1週間…手術後1週間(抜糸直後)の写真です。黄色や紫の部分は内出血の跡ですが、1週間程度で消えます。

手術後1週間(抜糸直後)…手術後最低3ヶ月はこのようにテープ(3M社製マイクロポアテープ)を傷口に対して直角方向に貼ってもらいます。こうする事によって傷の拡大(傷の幅が広がる)を予防します。

治療後1ヶ月…治療後1ヶ月の写真です。傷の両端が少し盛り上がっています。このような状態を「ドッグイヤー(犬の耳)」と呼んでいます。入れ墨の皮膚を切除縫合した際の「皮膚の余り」のようなものです。これは3~6ヶ月で平坦化して目立たなくなりますので、心配ありません。傷口の周囲の皮膚のシワは直前まで貼っていたマイクロポアテープによるものですので、心配ありません。









◆ 皮膚削除術

治療前。色は黒だけでしたが1回だけでの治療をご希望でした。

削り取った皮膚組織

削皮術を行った直後

約1ヶ月半後。殆ど上皮化しています。

約3ヶ月後。地肌の色が白い方ほど治療後はきれいに治る傾向にあります。


治療前

削皮後約10日、まだ完全には上皮化していません。

約1ヶ月後。完全に上皮化していますが、赤く少し腫れた軽度の肥厚性瘢痕となっています。

約6ヶ月後。下方、横方向に線状の肥厚性瘢痕が残っています。ステロイド注射(ケナコルト)を施行しました。

約1年2ヶ月後。赤みと腫れは改善しましたが、色素沈着した瘢痕となって治りました。痛みや痒みもなく、引きつれ感もありません。患者様も満足とのことでした。


 

◆ 皮膚移植



この方は赤、緑、黄色、オレンジなどの黒い部分がほとんど無いカラフルなタトゥーです。もちろんQスイッチYAGレーザーの対象ではありませんし、何回かに分けて切除縫合することも場所的に無理です。(肩関節や前胸部は皮膚の余裕が少なく切除縫合に適さない場所です。特に痩せている男性では尚更です。)そこでこの方の場合は昔ながらの皮膚移植を行いました。皮膚は通常太ももの外側からデルマトームという専用の器械(カンナのようなもの)で薄く採取してきます。皮膚を採取された太ももの部分は皮膚が全層で無くなっている訳ではありませんので、21週間程度で皮膚が再生されます。採取直後は擦り傷状態と考えて下さい。入れ墨の部分の皮膚は全層(皮下脂肪が見えるまでの深さ)で切除します。切除した部分に採取した皮膚を貼り付けて、何カ所も縫合して固定します。移植された皮膚が生着するまでには10日程度はかかりますので、その期間は患部の安静が必要です。翌日からの患部の運動は不可です。入れ墨が広範囲で移植する皮膚の面積が足りない場合には「メッシュ」と言って採取した皮膚をメッシュ状に穴を開けて、その分皮膚の伸展性を高めて小さな皮膚でも広範囲をカバーできるような細工を追加します。この方の場合も少しメッシュ加工を施していますので、皮膚表面にメッシュの穴が点状に跡となって見えます。右の写真は手術後1ヶ月の状態です。この治療は全身麻酔下で行います。入院不要で2時間程度で終了します。抜糸は10日目以降です。



左上腕の入れ墨の患者様ですが、黒だけでなく、赤も入っていたのでレーザーでは完全には消せません。また、入れ墨の横幅も12センチと広かったために分割切除(何回かに分けて入れ墨を皮膚毎切除して皮膚を縫合する方法)も3回以上はかかる事が予想たので皮膚移植を選択しました。
ドナーは太もも外側です。
最初は1週間程度の安静固定が必要ですが、1回だけの手術で終わりますし、切除縫合はしませんので明らかな引きつれ感はありません。「幼少時に火傷をした跡です」と言い訳が可能です。
まだ、手術後1年で赤みや皮膚の盛り上がりありますが、もう2~3年も経過するともっと目立たなくなります。入れ墨を消すまでの期限がある方には1つの選択肢です。



(1)治療前です。既にレーザー治療を2回受けていますが、結局赤色は消えないので皮膚移植を選択した方です。
(2)入れ墨の入っている部分の皮膚を全層に切除しています。見えているのは筋肉などです。
(3)耳の後部から採取した皮膚(全層)を貼り付けて縫合しています。長く残してある糸はこの後のタイオーバー用の糸です。
(4)患部に皮膚が密着するように綿球を置いてそれを糸で固定します(タイオーバー固定と言います)。7~10日この状態をキープします。この期間は患部を動かす事は避けてもらいます。
(5)治療後約1ヶ月の状態です。まだ、皮膚の赤みが残っています。時間の経過とともに周りの皮膚と馴染んできます。

症例写真集