麻酔と痛みを除くための配慮

当院の麻酔ポリシー

当院では「安全な麻酔」をモットーにしています。

美容医療はガンのように生命に関わる治療ではありませんので、安全である事が第一条件となります。

そのために当院では「経験豊富な麻酔専門医による麻酔」「手術前の十分な問診と診察、検査」「最新の麻酔器、モニター機器の導入」を重要と考えています。

その上で「痛みを取る・和らげるための配慮」も十分に行っておりますので、患者様には出来るだけ無痛で治療を受けて頂いております。

また、当院で行う美容外科手術は原則的に入院不要な日帰り手術ですので、そうした要望に合わせて十分な鎮痛効果と覚醒の質の高い麻酔薬を用いて患者様それぞれに最適な麻酔方法を選択しております。

経験豊富な麻酔専門医

2005年から全身麻酔を担当しているのが小西るり子医師です。院長も麻酔研修を受けた東大病院麻酔科出身の医師です。

長年、自治医大病院の中央手術室に勤務していました。麻酔科医師となってから30年以上の経験豊富なベテラン医師です。患者様だけでなくスタッフの信頼も厚いです。小西医師の都合が悪い場合は獨協医大麻酔科出身の医師が担当します。

手術前の十分な問診と診察、検査

当院では何の準備もなく、いきなり麻酔をかける事はありません。

先ずは問診で過去の病気や手術などの既往歴や、薬のアレルギーの有無、現在服用している薬や治療中の病気などについて十分に情報入手に努めます。

また、必要な場合は患部などの診察をします。

例えば、カラードップラー付き超音波エコーは非常に有用ですので豊胸手術前の検査や脂肪吸引手術の前の脂肪測定には必須です。また、全身麻酔などを行う前には「胸部レントゲン写真」「心電図」「血液検査」「尿検査」を行います。顔の輪郭などの骨切り手術では「顔面のレントゲン写真」も撮っています。

これらの情報によって手術の可否や手術方法、麻酔方法の選択などを決定します。検査結果が出るまでには最大3〜4日を要しますので、「今日検査を行って明日直ぐに手術をしたい」というようなご希望にはお応えできない場合があります。

過去には患者様が長年服用しているお薬(抗凝固剤、血液をサラサラにする薬)を申告しなかったために、予想外の出血で腫れてしまい、その腫れが完治するまでに3ヶ月以上を要した、という経験もありますので、細かな事でもきちんと問診票に記入、申告して下さるようにお願いしております。

最新の麻酔器、モニター機器の導入

主な麻酔関連機器は大学病院と同等レベルの機器を完備しています。

また、機械ですので万が一の故障や不具合に備えてほとんどを2台以上揃えてバックアップ体制も万全です。

全身麻酔器2台(GE社製Carestation620、ACOMA社製PRO45)・生体モニター2台(オムロン社製、日本コーリン社製)・カプノメーター2台(呼気終末炭酸ガス濃度計、オムロン社製、日本光電社製)・持続点滴ポンプ1台・下肢ポンプマッサージ器(血栓予防機器)1台・カウンターショック(AED除細動器)1台、麻酔器稼働用コンプレッサー1台・McGRATH液晶モニター付き喉頭鏡1台 、ProneView(腹臥位用の顔面保護機器)などを完備しております。

麻酔専門医にも「これだけ揃っていれば安心して麻酔がかけられます」と言われております。

痛みを取る・和らげるための麻酔方法と配慮

痛みのある治療は誰でも嫌なものです。当院では出来るだけ無痛で治療を受けて頂くために以下のような麻酔方法を用意し、痛みを和らげる配慮をしています。麻酔専門医がいるからこそ可能な麻酔方法もあります。

局所麻酔

歯科治療で行うような最も一般的な麻酔です。この場合でも34G(ゲージ)や32G(ゲージ)という極めて細い針を使用したり、また、麻酔液の注入中の痛みを和らげるためにメイロンという薬剤を添加して浸透圧をコントロールしたり、アナペインという長時間作用型の麻酔液を添加させて麻酔効果を延長させています。

全身麻酔(挿管)

本格的な麻酔です。口腔内や鼻腔内から気管にチューブを挿入して、麻酔ガスや酸素などを送り込みます。各種骨切り手術や手術中に体位を変える手術、鼻中隔延長術などの場合に用います。資格を持った麻酔専門医が担当します。

全身麻酔(ラリンゲルマスク)

手術中に体位を変えない(仰向けだけ)手術向きの麻酔方法で、口の中にラリンゲルマスクという特殊な形態のマスクを入れて麻酔を行います。挿管するよりも患者様に優しい麻酔です。主に豊胸術 で用います。資格を持った麻酔専門医が担当します。

全身麻酔(静脈麻酔)

本格的な全身麻酔をかけるほどではないが意識がある状態の手術は避けたい、というニーズもあります。点滴から麻酔薬を徐々に注入することにより、「完全な全身麻酔ではないが、患者様は痛みは憶えていない」状態で治療を行うことが可能です。麻酔からの醒めが非常に早い薬剤(プロポフォールなど)の使用で快適な治療が受けられます。フェイスリフト手術や前額部エンドリフト手術、局所麻酔注射を行っている時間帯、などで使用します。

麻酔クリームの使用

現在では注射ではなく麻酔クリームで皮膚表面の痛みを取ることが可能です。麻酔効果が現れてくるまでに15〜30分と少し時間がかかりますが、痛みが随分と和らぎますので、積極的にお勧めしています。ヒアルロン酸注入の患者様の約半数の方がリクエストしています。

神経ブロック麻酔の使用

神経ブロックと言って顔面にある知覚神経の根本に麻酔注射を行い、知覚神経の支配領域を一度に麻酔出来ます。ほうれい線や鼻の下、下唇付近、額のシワなどの治療の際に使用できます。しかし、麻酔クリームの方が塗るだけで簡便なので神経部ブロックはあまり行っていません。

鎮痛用坐薬の使用

内服薬ではなく、肛門から挿入する坐薬(ボルタレン)を治療前にあらかじめ使用しておくと「痛みを感じるレベルが上がり」ますので、同じ治療の痛みでも感じにくくなります。胃薬不要ですので食事に関係なく使用できます。レーザー脱毛で痛みに敏感な患者様などに使用します。

冷却エアーの使用

約5℃の冷却エアーを患部に吹きかけながら治療を行います。痛みだけでなく、患部の炎症を抑える効果もありますので、レーザー治療後の色素沈着予防にも有用です。フラクショナルレーザー(CO2フラクショナルレーザーやフラクセル2レーザー)や脱毛レーザーでは必須です。Cryo-mini(ドイツZimmer社)を3台導入しています。冷却ガスではありませんので、環境にも配慮した機器です。

クーリングシステム付きの機器の使用

当院で導入しているレーザー機器やIPL機器の殆どには治療部位を同時に冷却して痛みを軽減するクーリングシステムが付いています。

点眼麻酔

まぶたの手術では点眼薬による麻酔も併用します。点眼ですから痛みを感じることなく麻酔が行えます。即効性のある「ベノキシール」と長時間作用製の「点眼用4%キシロカン」の2種類を用意しています。