まぶたが下がってものが見にくくなる状態や目が眠たそうに見えてしまう状態を眼瞼下垂(がんけんかすい)と呼んでいます。
眼瞼下垂が肩こりや頭痛、吐き気の原因となっている事も多く、眼瞼下垂の治療をすると肩こりや頭痛(眼精疲労)が軽快する事が多くある事も最近では良く知られるようになりました。
臨床的な原因としては大きく4つに分けられます。
(1)老人性眼瞼下垂
誰でも年をとるとまぶたが少しずつ下がってきます。また、目を開ける筋肉も老化でゆるんできます。これを老人性眼瞼下垂といいます。
(2)先天性眼瞼下垂
生まれつきまぶたを開く力が弱い方がいて、これを先天性眼瞼下垂といいます。黒目がかくれてものが見えないと視力が落ちるので子供でも手術が必要なことがあります。
(3)コンタクトレンズ性眼瞼下垂
コンタクトレンズ(特にハードコンタクト)を長期間使用すると、まぶたと筋肉の付着部がゆるみ、まぶたを開ける力が弱くなり眼瞼下垂になることがあります。
(4)その他の原因
筋肉の病気の一種である「重症筋無力症」や「外眼筋ミオパチー」などでも眼瞼下垂が起こります。また、神経の病気である「動眼神経麻痺」「交感神経麻痺」や外傷による神経や筋肉の損傷でも起こります。
眼瞼挙筋の機能はある程度残っている場合に適応があります。まぶたの皮膚を切開して眼瞼挙筋を引き出して、挙筋を短縮させる事によってまぶたを持ち上げる力を強くします。同時に二重まぶたにする事が可能です。
眼瞼挙筋の機能はほとんど問題ないが、挙筋腱膜が薄くなったり、まぶたと離れてしまっている方が適応となります。やはり皮膚を切開して挙筋腱膜を引き出して直接まぶた(瞼板)に縫合してしまう方法です。同時に二重まぶたにする事が可能です。
まぶたの皮膚を切開しないで、まぶたの裏側の結膜側からアプローチします。挙筋腱膜を折り畳むように埋没縫合して、結果的に腱膜を前転させる(2)の手術と同じ様な効果を獲得します。この方法のメリットは皮膚切開が全くない事です。また、後から抜糸することも可能ですので眼瞼下垂の程度の修正や元に戻すことが簡単に出来ます。ただし、同時に二重まぶたにする事は出来ません。逆に言うと皮膚切開をしていませんので後から二重まぶたの共立式P-PL挙筋法を加える事が可能ですので、眼瞼下垂の結果が完全に定まってからそれに合った二重を作れます。
眼瞼挙筋の力が殆ど無い場合には、まぶたと前頭筋(額の筋肉)を直接筋膜などで連結させて、額の力でまぶたを開くようにします。眼瞼下垂の程度が重症(額の筋肉を使っても黒目が殆ど隠れてしまうような方)の方が適応となります。
まぶたの皮膚のたるみが多い高齢の方では単純に余剰な皮膚を切除するだけでも、まぶたが随分と持ち上がり視野が確保できます。筋肉や腱膜までの手術を望まない方に適応します。睫毛の近くから皮膚を切除する方法と眉毛の下縁から切除する方法の2 つがあります。どちらも傷は目立たなくなります。
一般的な二重の手術方法である共立式P-PL挙筋法を行う事によって軽度の眼瞼下垂は解消されてまぶたがパッチリとする事も多くあります。少し眠たそうな目だけれども額の筋肉をそれ程使わなくても目が開くような方が適応です。
経験豊富な医師により、充分なカウンセリングを行います。
このときあなたの希望のラインを伺いながら、シュミレーションを行い、最適なラインを決めていきます。
二重のラインに沿って切開をし、緩んだ筋肉を縫うことにより縮めます。 切開部を丁寧に縫合します。 眼瞼下垂施術と同時に理想の二重ラインを形成することも可能です。 施術の跡がそのまま二重ラインになりますので目立つ心配はございません。
切開をした場合は1週間後に抜糸が必要です。洗顔は2日目から、まぶたのお化粧は抜糸後から可能です。だいたいの腫れは1週間で引きますが、腫れが100%なくなるまでは2〜3週間かかる事もあります。また、患者様によっては多少の内出血が現れる場合がありますが、7〜10日で消失します。まぶたはひふの非常に薄い場所ですので傷口は殆ど目立たなくなります。
後戻りが一番の問題です。
(1)〜(4)の手術では、手術後しばらくは目がはっきり開いていたけれども数ヶ月経つうちに後戻りする可能性があります。ですから、多少の後戻りを見越して少し多めにまぶたを持ち上げます(オーバーコレクト)。
手術後は徐々に正常に戻ってくるのですが、それまでの間は逆に目を閉じても眼球が見えてしまう(兎眼)状態の可能性がありますが、心配ありません。
歯科のような局所麻酔を行いますので、手術中の痛みはありません。
切開を伴う場合は腫れます。個人差はありますが「大まかな腫れは2週間」「100%近く腫れが引くまでは1ヶ月」「傷が落ち着くまでに2〜3ヶ月」です。
直ぐに元に戻ってしまう事はありませんが、年齢とともに徐々に眼瞼下垂が現れる可能性はあります。また、「手術後の腫れが引いたならば目の開き加減が少し足りなかった」という場合が時々あります。そのような場合は後日、修正が必要となります。
徐々に戻ってくる場合がありますので、永久という保証はありません。ただし、再手術は可能です。
極端に黒目を大きく見せるようにするとドライアイになる可能性があります。また、元々ドライアイがある患者が眼瞼下垂の治療をうけるとドライアイが悪化する可能性もあります。
原則的に使用は可能です。しかし、コンタクトレンズが原因で眼瞼下垂となる事があります。特にハードコンタクトレンズの使用で起こりやすくなりますので、ソフトコンタクトレンズの使用をお勧めします。
皮膚切開を伴う眼瞼下垂の手術は経験を要します。当院では形成外科専門医(辻医師や野本医師など)が担当します。
はい、それは可能です。ただし、極端に大きくすると「ドライアイ」や「兎眼(目を閉じた時に白目が見えてしまう事)」になる可能性があります。
黒目が半分以上隠れている、などの重度の場合は保険適応となる場合があります。そのような場合は自治医大形成外科、獨協医大形成外科などをご紹介しています。
切らない、腫れない、痛くない
少しの切開でくっきり二重に
目もとのタルミが気になる方へ
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眠そうな目を元気な目に
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腫れぼったいまぶたにさようなら!
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