スレッドリフトと言われてもピンと来ないかもしれません。
スプリングリフトとかアプトスリフトと言った方が患者様には分かり易いかもしれません。2003年春頃から行われ始めた治療方法です。
フェイスリフトのような外科的な手術でなく、特殊な糸を皮下組織に挿入して糸のバーブ(ひっかかり)や糸の反発力でたるんだ皮膚を持ち上げる方法です。
局所麻酔で可能な、即効性のある治療方法です。
スレッドリフトには様々な種類、製品がありますが、主に日本国内で行われているものを以下に記載します。ただし、名称には医学的、学会的に統一されていないものも多く各クリニックで勝手に命名している場合もありますので、多少の違いはご容赦下さい。
糸が筋膜や骨膜などの比較的固い組織に縫合固定されている「フィックスドタイプ」と皮下で固定されていない「フリーフローティングタイプ」の大きく2つに分けられます。
2007年春頃から日本に導入されています。非吸収性のポリプロピレン製の糸にコーンと呼ばれる「吸収性の三角錐」の突起物が付いています。このコーンが皮下組織でひっかかり、たるみを持ち上げます。シルエットリフトが発売される前までは、このようなしっかりとした突起物で引き上げる方法が無かったので、その牽引力の強さに驚いたのですが、弱点は後戻りでした。牽引力が強い反面、元に戻ろうとする力も強くなり顔面の動きによって「コーンが外れて」牽引力が低下する事がありました。
また、コーン自体は吸収性のため1〜1年半でコーンは無くなり、引っかかりが弱くなってしまいます。初期の製品は非吸収性のポリプロピレン製の糸が青く、白人では皮下に透けて見えてしまう可能性があったために、現在ではコーンだけでなく糸自体も吸収性のものの2種類が販売されています。
アプトス糸をフリーフローティングとせずに、ループ状にして頭髪の皮下で糸の断端同士を結んで、引き上げる効果をアップさせた方法です。頭髪内を小切開します。
糸を2本以上使用してX状に交差させたワプトスです。3本以上使用すると「面」で引き上げるような効果が得られます。これも頭髪内に小切開が必要です。
アメリカで著名な美容外科医のゴードン・ササキが開発した方法です。ほうれい線に数ミリの小切開を加えてその部位から皮下組織内を側頭部にかけて糸をループ状に貫通させて、側頭部の筋膜で縫合固定するものです。この糸にはアンカーと呼ばれるゴアテックス製の「引っかかり」がついており、そのアンカーで頬部の皮下脂肪を引き上げてタルミやシワを改善する方法です。
アンカー部分の1カ所だけのリフト力なので、比較的効果が低いと考えられており、スレッドリフトの主流とはなっていません。これ単独では効果が低いと考えられており、フェイスリフト手術との併用使用が殆どです。
最も新しいタイプで2010年の秋頃から日本に紹介されています。現在のところでは「最も効果が高い」治療方法です。従来のスレッドリフトで用いられていた糸は「固い伸縮性のない」ものでした。ですから、引き上げる力は強かったのですが、逆に元に戻る力も強く効果の持続性に欠けるものが多かったのです。
このスプリングリフトはフランス(1st SurgiConcept社)で開発されたもので、一番の特徴は「糸自体に伸縮性がある」という点です。ですから食事をしても、カラオケを歌っても糸によって皮膚が引き攣れる事は殆どありません。非常に自然な表情が得られます。また、従来のスレッドリフトの糸はひっかかりが「点状のポイント(次項のシルエットリフトでは最大8ポイント)」だったのに対してこのスプリングリフトは「糸自体が全てひっかかり」となっているために「ポイントではなく線状にひっかかる」ので効果が高いと考えられています。
もみあげ部位に数ミリの穴を開けて、そこからほうれい線や下顎に向けて片側6〜8本以上(4本では効果が低くなります。出来るだけ本数は多い方が効果的です)のスプリングリフトの糸を挿入します。
この6〜8本の糸を引き上げて固定するために、頬とは逆方向の頭皮下に「V字型」に糸を挿入して固定します。
抜糸も不要、洗顔やシャンプーは翌日から可能(必須)です。
元々糸に過度の緊張がかかっていませんので「外れる」という事がありません。
5〜6年以上は効果が持続する患者様が多いと感じています(2018年9月時点)
一番初期のタイプの糸ですが、現在も行われています。バーブと呼ばれる細かい突起の付いたポリプロピレン製の糸を皮下に大きく湾曲させて挿入して、その糸の反発力で皮膚や皮下組織を持ち上げるやり方です。専用の筒状の針を皮膚から刺入して、その針の中にアプトス糸を挿入します。イタリア製、中国製、韓国製、ロシア製などが出回っています。バーブという糸の突起部分では炎症によるコラーゲン産生が起こり、皮下組織の瘢痕(傷跡)となって効果を持続させる、という理論の元に行っています。
糸の素材が吸収性のPDSとなったアプトスリフトの事をハッピーリフトと呼んでいます。現在は異物としての糸が皮下に残らないハッピーリフトが主流です。非吸収性のポリプロピレンよりもPDSのような吸収性の糸の方が皮下組織での炎症反応が強く、コラーゲン産生が活発になると言われています。ですから、糸自体が吸収されても効果はある程度持続します。「糸の吸収」=「効果が無くなり元に戻る」ではないという理論です。複数回の治療も問題ない方法で、吸収されてしまうというメリットは大きいと思います。
アプトス糸を加工してスプリング状にして、その効果(反発力)を高めたものです。一定の効果をコンスタントに出すには熟練が必要で難しく、一般的ではありません。
PDOという素材の比較的短い吸収糸を皮下に埋め込んで「皮膚の張りを出す」治療方法です。片顔で15〜20本以上の糸を使用する場合もあります。長期に渡る効果は期待出来ません。
術前正面では二重あごが一番気になる、とのことでした
術後1ヶ月、二重あごが改善されて頬にボリュームが出て若く見ます
術前左斜めでは二重あごとマリオネットラインがはっきりと分かり、下垂した顔貌となっています
術後1ヶ月、二重あごだけでなくマリオネットラインが改善し、下顎〜頬がリフトアップしています
術前右斜めでは二重あご、ほうれい線とマリオネットラインがはっきりと分かります
術後1ヶ月、二重あごだけでなくほうれい線とマリオネットラインも明らかに改善しています。顔の下1/3のボリュームが上方へ移動して若々しく見えます。
治療前の正面
ブルドック顔がきになります。
片側8本のデザイン
治療後3日目
腫れや内出血がまだ残っていますが効果ははっきり実感できます。
治療後1ヶ月後
リフトアップ効果が素晴らしいです。10歳若返った印象です。
1年後
フェイスラインがしっかりアップしていますがほうれい線は残っています
約2年後
フェイスラインはまだまだ下垂していません。ヒアルロン酸注入により若返りました。
3年後の正面です。下顎部の下垂が出て来ていますが、まだまだ治療前のブルドック顔には戻っていません。ほうれい線にヒアルロン酸注入を行った直後なので、少し内出血があります。
丸4年経過後の正面写真です。3年前よりも更に加齢が進んでいますが、ブルドック顔には戻っていません。患者様の満足度もまだまだ高いです。
丸5年経過後の正面写真です。4年前よりも少し若返った(リフトアップした)印象さえあります。まだまだ、スプリングリフトの効果が持続しています。
治療前の斜め左です。
デザインです。片側8本です。
治療後3日目です。
治療後1ヶ月後です。
3年後の左斜めです。フェイスラインのアップは続いており、まだまだ治療前のブルドック顔には戻っていません。ほうれい線にヒアルロン酸注入を行った直後なので、少し内出血があります。
丸4年経過後の左斜め写真です。3年前と比べると僅かにフェイスラインの下垂が現れていますが、ブルドック顔には戻っていません。患者様の満足度もまだまだ高いです。
丸5年経過後の左斜め写真です。右側よりもフェイスラインのリフトアップ効果が高いのが分かります。まだまだ持続しています。患者様の満足度も高いです。
治療前の斜め右です。
デザインです。片側8本です。
治療後3日目です。
治療後1ヶ月後です。
3年後の右斜めです。フェイスラインのアップは続いており、まだまだ治療前のブルドック顔には戻っていません。
丸4年経過後の右斜め写真です。それなりに加齢が進んでいますが、3年前と比べてもそれ程老化した印象はありません。患者様の満足度もまだまだ高いです。
丸5年経過後の右斜め写真です。少しフェイスラインの下垂(たるみ)が現れてきていますが、まだまだ効果が持続しています。
治療前の正面です。
片側4本挿入後。かなり改善しています。
更に4本を追加しました。
顔の下1/3がかなりシャープになりました。
1年8ヶ月後、加齢による下垂は進んでいますが治療前よりは顔の下1/3がリフトアップして、頬付近にボリュームが出ています。
治療前の右斜めです。
ブルドッグのように頬が下がっています。
4本挿入後です。劇的に改善しました。
更に4本、合計8本挿入後です。
更に改善してタルミが殆ど目立たなくなりました。
1年8ヶ月後の右斜め写真、治療前よりは明らかにリフトアップしている効果が続いています
治療前の左斜めです。
ブルドッグのように頬が下がっています。
4本挿入後です。劇的に改善しました。
更に4本、合計8本挿入後です。
更に改善してタルミが殆ど目立たなくなりました。
頬の辺りが持ち上げられた皮膚で少しボリュームアップしていますが、気にならないレベルです。首もスッキリした印象になりました。
1年8ヶ月後の右斜め写真、治療前よりは明らかにリフトアップしている効果が続いています。
治療前の正面、この方のフェイスラインはそれほど崩れていません。いわゆる「ブルドック顔」にはなっていないので「老化予防」も含めて治療を行いました。
片顔に8本のスプリングリフトを挿入しました。治療後約1ヶ月です。
治療前の左斜め
フェイスラインがすっきりして、ほうれい線とマリオネットラインが浅くなっているのが分かります。
治療前の右斜め
二重あごやフェイスラインがアップしてすっきりしました。特に顔面の下1/3がアップして若々しく見えます。
多くのクリニックで掲載されている症例写真はビフォーアフターのみですが
当院は治療に対する理解を深めて頂く為に、詳細に治療中の写真も掲載しております。
治療前の正面
約1ヶ月後、改善はしていますが頬のたるみは残っています
治療前の右斜め
約1ヶ月後の状態、改善はしていますが頬のたるみは残っています。後日、追加手術を予定しています。
治療前の左斜め
約1ヶ月後の状態、改善はしていますが頬のたるみは残っています。後日、追加手術を予定しています。
治療中で糸が出ている状態
治療直後の状態、腫れてはいますがそれ程でもないと思います
治療前のデザイン、頬に8本頭髪部に2本挿入します
治療中で糸が出ている状態
治療直後の状態
治療前のデザイン、頬に8本頭髪部に2本挿入します
治療中で糸が出ている状態
治療直後の状態
2008年9月にスレッドリフト研究会が発足しました。各種スレッドリフトの情報交換や講演者を招待しての症例検討などを行っています。2009年2月には第2回スレッドリフト研究会が開催されて、この時はモニター患者を使ったライブサージャリー(実演治療)が行われました。シルエットリフトとハッピーリフト及びSSケーブルスーチャーとの併用療法がデモンストレーションされました。院長は2回とも参加して、研鑽に努めています。
スレッドリフトは単独でもそれなりの効果はあるのですが、完全に満足出来ない場合は他の治療方法との組み合わせも有効です。
色々なタイプの糸が出回っていますが、実際に当院で行っているのは「スプリングリフト」のみです。
今後も様々なタイプの糸が開発、販売されてくると思われますので、その都度最新で効果が高く、安全性の高いものを導入していきます。
スプリングリフト | |
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効果の持続 | 5〜6年以上が多い |
適応 | 顔面、首など |
レントゲン | 写らない |
切開/抜糸 | メスでの切開不要/抜糸も不要 |
反復性 | 同一部位を何度でも可 |
お化粧/シャンプー | 翌日から必ず行う |
副作用、トラブル | ・たるみが多い方では「皮膚の余り」が残る ・1ヵ月以上経過すると糸の抜去が困難 ・感染を起こす可能性があり、その場合は一度抜去する必要がある(感染した場合は糸の抜去は容易) |
院長コメント | ・糸の伸縮性のために顔に表情を作っても自然な仕上がり ・糸に余分な力が加わらないために効果も一番長く持続する ・過去にフェイスリフト手術などで皮下に癒着があると効果が低くなる可能性がある |
料金 | 1本 70,000円 |
セット料金 | 両頬8本 280,000円 両頬12本 360,000円 両頬16本 440,000円 両頬20本 520,000円 |
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皮膚をきらずに糸でリフトアップ
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