女性ホルモンの関係で出産後に多く現れる左右対称性のシミです。
テレビCMもされているので一般の方の認知度も高いものです。
典型的な肝斑です。頬に左右対称に色素沈着しています。目の下は意外に色素沈着しないのも特徴です。通常のレーザー治療では悪化します。
中度の肝斑です。両側の頬骨に沿った色素沈着があります。
トレチノイン酸治療(オバジニューダームシステム、現在はゼオスキンヘルス)を行いました。
2週間前後です。
皮膚の剥離と軽度となっています。
頬骨部の色素沈着はまだ残っていますが、顔全体が明るくなっています。
5週間後です。赤みはまだありますが、両側の頬骨部の色素沈着もほぼ消えて無くなっています。色素沈着に関しては患者様はこれで満足、ということでトレチノインの塗布は中止して、オバジニューダームの2番や3番でのケアに切り替えています。このあと約2週間程度で赤みが完全になくなります。
肝斑ですが、重度ではありません。この程度では「両頬のシミが最近濃くなってきたみたい」と見過ごしてしまう可能性もあります。
トラネキサム酸などの内服薬とトレチノイン酸クリームの治療でほぼ完全に消失しました。
これは肝斑ではありません。
ADM(後天性真皮メナノサイトーシス)や遅発性太田母斑と呼ばれるアザの一種です。この患者様の場合は30才頃から現れ始め、左右対称で頬部にできているので一見「肝斑」と診断してしまう可能性がありますが、「色の濃さ」「斑点状の色素斑」などで区別されます。生理前の憎悪もありません。
QスイッチYAGレーザー(1064nm)を3回照射してこのようにきれいになりました。再発はありません。
紫外線や加齢が原因の通常のシミやソバカスとは違い、妊娠や出産などに関係した女性ホルモンバランスが原因と言われている皮膚へのメラニン沈着が肝斑です。普通のシミとの違いは「左右対称性に出現する。典型的なものは蝶が羽を拡げたような形になる」「頬から現れる事が多く、その後に鼻、額、口元などへ拡大していく」「妊娠、出産後に現れる事が多い」「生理前になると色が濃くなる場合が多い」「ピルやホルモン剤の服用でも現れる事がある」「閉経後は悪化しない事が殆ど」などです。肝斑と呼んでいますが、肝臓とは関係ありません。
体内から女性ホルモンバランスの関係で現れるものですので、レーザーやフォトプラス(IPL)の治療を行っても再発したり、逆に悪化してしまう事もあります。治療方法としては以下の3つがあります。
メラニン生成抑制作用のある「トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンEの内服」
「ハイドロキノンクリームの外用」「経皮吸収されるリン酸化ビタミンCローションの外用」、メラニン排出作用のある「フルーツ酸石鹸の使用」が効果的です。当然、紫外線カットは必須です。このような治療を2〜3ヶ月継続していただくと、完全とは言いませんが、かなり改善します。洗顔や顔剃り時の物理的な擦過刺激も良くありませんので、気をつけてもらいます。
フルーツ酸(AHA)を使用して皮膚の角質(表皮の一部)を積極的に排出、剥離する治療方法です。2週間毎に6回(約3ヶ月)程度通院して行います。治療中はピリピリしますが、痛みと言うほどのものではありませんし。治療直後からのお化粧も可能ですので、日常生活やお仕事には支障ない方法です。通院が出来ないお忙しい方用に自宅で行うマイルドな方法もあります。内服薬との併用が理想的です。
トレチノイン酸(ビタミンA誘導体)を使用したケミカルピーリングの一方法です。
オバジニューダーム(現在はゼオスキンヘルス)システムと言った方が分かる方も多いと思います。フルーツ酸よりも皮膚の剥離作用の強いトレチノイン酸を使用します。(症例写真参照)1ヶ月近くは皮膚が剥離されて「ボロボロ」してしまいます。お化粧は可能ですが、ボロボロした皮膚は完全には隠せないかもしれません。「一皮剥けた」状態になりますので、肝斑だけでなく「通常のシミ、ソバカス」「毛穴」「ニキビ」「日焼けあと」などにも有効です。肝斑での内服薬との併用もお勧めです。
シミやそばかすが気になる
ニキビ跡が気になる
毛穴の開き・黒ずみが気になる
赤ら顔・血管腫・静脈瘤を何とかしたい
あざをキレイにしたい
ほくろやいぼをとりたい
入れ墨・アートメイクをとりたい
傷やケロイドが気になる
肝斑とは
肌深部からの若返り