当院では「安全な麻酔」をモットーにしています。
美容医療はガンのように生命に関わる治療ではありませんので、安全である事が第一条件となります。
そのために当院では「経験豊富な麻酔専門医による麻酔」「手術前の十分な問診と検査」「最新の麻酔器、モニター機器の導入」を重要と考えています。
その上で「痛みを取る・和らげるための配慮」も十分に行っておりますので、患者様には出来るだけ無痛で治療を受けて頂いております。
また、当院で行う美容外科手術は原則的に入院不要な日帰り手術ですので、そうした要望に合わせて十分な鎮痛効果と覚醒の質の高い麻酔薬を用いて患者様それぞれに最適な麻酔方法を選択しております。
2005年からは当院での全身麻酔、硬膜外麻酔はほとんど小西るり子医師が担当しています。院長も麻酔研修を受けた東大病院麻酔科出身の医師です。
長年、自治医大手術室に勤務していました。麻酔科医師となってから22年以上の経験豊富なベテラン医師です。患者様だけでなくスタッフの信頼も厚い医師です。日本形成外科学会、日本美容皮膚科学会にも所属して美容医療にも習熟しています。
当院では何の準備もなく、いきなり麻酔をかける事はありません。先ずは問診で過去の病気や手術などの既往歴や、薬のアレルギーの有無、現在服用している薬や治療中の病気などについて十分に情報入手に努めます。
また、必要な場合は患部などの診察をします。
例えば、
カラードップラー付き超音波エコーは非常に有用ですので豊胸手術前の検査や脂肪吸引手術の前の脂肪測定には必須です。また、全身麻酔などを行う前には「胸部レントゲン写真」「心電図」「血液検査」「尿検査」を行います。顔の輪郭などの骨切り手術「患部のレントゲン写真」も撮っています。
これらの情報によって手術の可否や手術方法、麻酔方法の選択などを決定します。検査結果が出るまでには最大3?4日を要しますので、「今日検査を行って明日直ぐに手術をしたい」というようなご希望にはお応えできない場合があります。
過去には患者様が長年服用しているお薬(抗凝固剤、血液をサラサラにする薬))を申告しなかったために、予想外の出血で腫れてしまい、その腫れが完治するまでに3ヶ月以上を要した、という経験もありますので、細かな事でもきちんと問診票に記入、申告して下さるようにお願いしております。
主な麻酔関連機器は大学病院と同等レベルの機器を完備しています。
また、機械ですので万が一の故障や不具合に備えてほとんどを2台以上揃えてバックアップ体制も万全です。
全身麻酔器3台(内1台は空気換気可)・モニター(心電図・血圧・脈拍・脈波・酸素飽和度)2台・カプノメーター2台(呼気炭酸ガス濃度計、1998年から使用が義務化)・持続点滴ポンプ2台・下肢ポンプマッサージ器(血栓予防で2時間以上の手術では義務化)2台・カウンターショック(除細動器)1台 を完備しております。
麻酔科の医師にも「これだけ揃っていれば安心して麻酔がかけられます」と言われております。特にカプノメーターや下肢ポンプマッサージ器は義務化されているにもかかわらず、導入していないクリニックも多いようです。
痛みのある治療は誰でも嫌なものです。当院では出来るだけ無痛で治療を受けて頂くために以下のような麻酔方法を用意したり、痛みを和らげる配慮をしています。麻酔専門医がいるからこそ可能な麻酔方法も多くあります。
歯科で行う最も一般的な麻酔です。この場合でも30Gや32Gという極めて細い針を使用しています。また、麻酔液の注入中の痛みを和らげるためにメイロンという薬剤を添加して浸透圧をコントロールしています。
背中から細い針を刺して「硬膜外腔」というスペースに麻酔薬を注入する方法です。入院不要で腹部全体や太もも全体、バスト全体などの麻酔が可能です。痛みはありませんが、手術後早期から歩行が可能です。脂肪吸引や豊胸術(患者様が確認しながら行う場合)などで用いる麻酔です。
本格的な麻酔です。気管にチューブを挿入して、麻酔ガスや酸素などを送り込みます。各種骨切り手術や手術中に体位を変える場合に用います。
手術中に体位を変えない手術向きの麻酔方法で、口の中にラリンゲルマスクという特殊な形態のマスクを入れて麻酔を行います。挿管するよりも患者様に優しい麻酔です。主に豊胸術(患者様の確認が不要な場合)や乳房縮小術などで用います。
本格的な全身麻酔は怖いけれども、意識がある状態の手術は避けたい、というニーズも多くあります。現在は静脈に持続点滴ポンプから鎮静作用のある麻酔薬を徐々に注入することにより、「患者様は問いかけには応答するが記憶がなく、痛みも憶えていない」状態で治療を行うことが可能です。麻酔からの醒めも非常に早い(1?3分程度)薬剤の使用で快適な治療が受けられます。フェイスリフト手やエンドリフト手術、鼻の手術などで使用します。
現在では注射ではなくテープやクリームで皮膚表面の麻酔が可能です。麻酔効果が現れてくるまでに30?60分と少しお時間がかかりますが、痛みが随分と和らぎますので、積極的にお勧めしています。
眼窩下神経ブロックと言って、小鼻の脇にある神経の根本に麻酔注射を行い、広範囲を一度に麻酔します。ほうれい線や鼻の下のシワへのヒアルロン酸注入の場合によく使用しています。その他にも下唇付近のシワ治療の際のおとがい神経ブロックや額のシワ治療やエンドリフト手術の際の眼窩上神経ブロック、滑車上神経ブロックも多用します。
内服薬ではなく、肛門から挿入する坐薬を治療前にあらかじめ使用しておくと「痛みを感じるレベルが上がり」ますので、同じ治療の痛みでも感じにくくなります。胃薬不要ですので食事に関係なく使用できます。サーマクールやレーザー脱毛の際に使用します。
SynerCoolという機器で約5℃の冷却エアーを患部に吹きかけながら治療を行います。痛みだけでなく、患部の炎症を抑える効果もありますので、レーザー治療後の「PIH炎症性色素沈着」の予防にも有用です。フラクセル2では必須です。
当院で導入しているレーザー機器やIPL機器には殆ど治療部位を同時に冷却して痛みを軽減するクーリングシステムが付いています。
まぶたの手術では点眼薬による麻酔も併用します。点眼ですから痛みを感じることなく麻酔が行えます。