まぶたは体の皮膚の中でも最も薄い部分ですので、一番最初に加齢現象が目立ちやすい場所です。
上まぶたのたるみは外観上の老化だけでなく、機能的な視野の狭小化ももたらしてしまいます。軽度のものは共立式P-PL挙筋法で、重度のものは皮膚切除を含めた方法をお勧めしています。
下まぶたのタルミは二重のラインがある訳ではありませんので、共立式P-PL挙筋法で改善は不可能です。ヒアルロン酸などの注入法もありますが、最終的には皮膚切除を行った方が満足度の高い仕上がりとなります。まぶたは皮膚が薄いので傷が全くめだたなくなる部位です。
軽度のたるみ(約1センチ以内)であれば共立式P-PL挙筋法を行い「一重まぶたを二重にする」、もしくは「今までの二重の幅を拡大する」ことによってたるみを改善する事が可能です。
2004年頃から普及してきた皮膚たるみ取りの方法です。眉毛の下の生え際を切開して余分な皮膚を切除し、皮膚を縫合します。従来からの方法である3)や4)と比較してのメリットは「腫れない」「傷の上下で皮膚の厚みが違わない」「傷が本当に目立たなくなる」の3点です。唯一のデメリットは「たるみ取りの手術と同時に二重形成が出来ない」という点です。実はこの方法は中国や韓国ではもっと古くから行われていた方法だったらしいのですが、日本に導入された(日本人が知ってやり始めた)のはつい最近です。さすが「中国4千年の歴史」と思ったものです。
治療前の写真です。
上まぶたの皮膚が弛んでいると同時に凹んでいます。
最近主流の「眉毛下切開」による皮膚のたるみ切除を行った手術直後の写真です。眉毛下部(一部は眉毛内)に沿った切開線となります。二重のラインで切開する従来の方法と比較して「腫れが圧倒的に少ない」のがメリットです。
また、「傷口が目立たない」のも特徴です。この患者様の場合は眉毛が少なくアートメイクのライン下部と一致させています。
手術後1ヶ月の写真です。
眉毛下の傷は既に殆ど分かりません。
皮膚切除によってたるみが改善するとともに、目の上の凹みも改善されて若々しくなっています。
「今まで二重まぶただった」、もしくは「これを機会に二重まぶたにしたい」という患者様には二重のラインに沿って皮膚切開を行い余分な皮膚を切除して、同時に二重形成も行う方法です。従来はこの方法が圧倒的に多かったのですが、眉毛下切開法が日本に紹介されてからは、やや減少傾向にあります。デメリットは眉毛下切開と比較して「腫れがやや大きい」、「切開線上下の皮膚の厚みが微妙に違う」という事です。
たるみは切除したいけれども、二重まぶたにはしたくない、というご希望の患者様向けの方法です。上まぶたの睫毛の生え際ぎりぎりの皮膚を切開しますので、殆ど一重まぶたのまま皮膚のたるみだけが改善できます。いままで一重まぶたで過ごしてきたきた方向けです。傷口は睫毛の生え際ですので、全く目立たなくなります。
共立式P-PL挙筋法 によるたるみ改善 |
眉毛下切開 | 二重のラインに 沿った切開 |
睫毛の生え際切開 | |
---|---|---|---|---|
手術時間 | 10分 | 40〜60分 | 60分 | 60分 |
手術中確認 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
永続性 | 元に戻ってしまう 可能性有 |
5〜10年以上 | 5〜10年以上 | 5〜10年以上 |
腫れ | とても少ない | とても少ない | やや多い | 少ない |
抜糸 | 不要 | 7日目 | 5〜7日目 | 5〜7日目 |
洗顔、化粧 | 翌日から可能 | 洗顔は2日目、 化粧は抜糸後から可能 |
洗顔は2日目、 化粧は抜糸後から可能 |
洗顔は2日目、 化粧は抜糸後から可能 |
左:下眼瞼のたるみ取りの患者様の手術前です。加齢によって皮膚と皮下の眼輪筋が弛んでいます。眼輪筋のたるみによって眼窩脂肪が前方に突出して「目の下が膨らんで」います。この患者様には標準的な「筋皮弁法」を施行しました。
右:手術後1ヶ月の写真です。まつ毛の生え際を切開して「余分な眼窩脂肪」と「余分な眼輪筋」「余分な皮膚」の3つを処理(切除)しています。眼輪筋は目尻の骨膜に固定しています。この患者様の場合はアートメイクが入っていたので、厳密にはアートメイクの下端の皮膚を切開しています。傷口も1ヶ月の時点で全く目立ちません。10歳は若返った印象です。(手術後でも多少は目の下の凹みが残っていますが、この凹みまで完全に解消したい場合は「ハムラ法」が適応になりますが、この患者様はハムラ法まではご希望されませんでした。)
左:下眼瞼のたるみ取りの男性患者様の手術前です。「目の下の膨らみ」が目立ちます。この患者様の場合も手術は最も標準的な「筋皮弁法」を施行しました。
右:手術後1ヶ月の写真です。まつ毛の生え際を切開して「余分な眼窩脂肪」を除去し、「余分な眼輪筋」と「余分な皮膚」も切除して縫合しています。筋皮弁法のポイントである「眼輪筋を目尻の骨膜に固定」して牽引力を確保しています。傷口も1ヶ月の時点ですが全く目立ちません。目の下が平坦化することによって「老けた感じ」や「疲れた感じ」が解消されて、若く見えるようになったと思います。
右下:手術後7年半の写真です。多少、皮膚のたるみが現れてきていますがまだまだ手術の効果は持続しています。個人差はありますが、だいたい7〜10年くらいは効果が持続します。まつ毛の生え際の傷も全く目立ちません。患者様の満足度も高かったです。
最も一般的な下まぶたのたるみ取り手術です。睫毛の生え際を切開して「余分な眼窩脂肪」「余分な眼輪筋」「余分な皮膚」の3つを処理します。目尻の部分の骨膜に眼輪筋を固定して後戻りを防ぎます。当院ではメスを使用する手術の中で最も数の多いものです。40代後半以降、ある程度のたるみが出てきた患者様の最終手段と言えます。
傷口は1ヶ月程度で赤味が消えて目立たなくなります。皮膚を取りすぎると「あっかんべー」という状態(外反と言います)になりますので、手術中は外反しないように仮縫い状態で少しずつ皮膚を切除しながら行います。
ある程度皮膚のたるみが多く、筋皮弁まで行わなくても十分に皮膚だけでたるみが改善する方に適応があります。やはり睫毛の生え際を切開して余分な皮膚を切除してしまいます。皮膚だけの処理ですので短時間で済み、腫れも最小です。同時に余分な眼窩脂肪を除去する事も可能です。
左:目の下のたるみ切除(ハムラ法)の手術前の写真です。皮膚のたるみ、突出した脂肪、目の下の凹みが目立ち老けた印象となっています。ハムラ法とは突出した脂肪を除去するのではなく、目の下の凹みの部分に脂肪を移動、固定させて出来るだけ目の下を平らにさせる方法です。
右:手術後1ヶ月の写真です。ハムラ法によって目の下の凹凸がかなり平坦化したのが分かります。加齢によってたるんでしまった余分な皮膚は切除し、眼輪筋を外眼角の骨膜に固定して引き上げ効果を得ています。切開はまつ毛の生え際ですが、1ヶ月程度で赤みが消えて傷跡は全く目立たなくなります。お化粧をしない男性の方でも、傷の心配がないので安心して受けられる治療と言えます。
いわゆるクマと呼ばれる目の下の凹みが顕著な方に適応があります。一般的な1)筋皮弁法はあくまでも眼輪筋を引き上げて固定するだけですので、重度の凹みが全く平坦化する訳ではありません。そこでアメリカの著名な形成外科医のハムラ教授が考案した「従来は除去していた眼窩脂肪を切除せずに、凹みの部分に移動させて目の下の骨膜に固定する」方法です。従来は目の下の凹みには脂肪注入などを行っていたのですが、このハムラ法ならば一石二鳥な手術です。この場合の脂肪は注入ではなく移動ですので吸収されてしまう心配もありません。
目の下だけでなく頬までをリフトアップさせたい場合の手術です。通常は眼窩下縁までの剥離ですが、この場合は眼窩を越えて骨膜と頬骨筋の間を剥離して頬骨筋を引き上げて眼窩縁の骨膜に縫合固定します。しばらく腫れが残るのが弱点です。通常のSMASフェイスリフトでは頬までは中々改善しませんので、この方法が有効です。
自己脂肪注入やヒアルロン酸注入、コラーゲン注入によって下まぶたのシワや凹み(クマ)を改善する方法も行われていますが、あくまでも「たるみはそのまま」です。見た目ではシワや凹みは改善しますので、それなりの満足感は得られます。ヒアルロン酸注入やコラーゲン注入では1年以内に吸収されてしまいますので、追加注入が必要です。
筋皮弁法 | 皮膚のみ | ハムラ法 | 頬引き上げ | 注入法 | |
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手術時間 | 60〜90分 | 30〜50分 | 90分〜 | 2時間 | 10分程度 |
手術中確認 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
永続性 | 5〜10年以上 | 5〜10年以上 | 5〜10年以上 | 5〜10年以上 | 3〜12ヶ月程度 |
腫れ | 少ない | 少ない | やや多い | 多い | 殆ど無い |
抜糸 | 7日目 | 7日目 | 7日目 | 7日目 | 不要 |
洗顔、化粧 | 洗顔は2日目、化粧は抜糸後から可能 | 洗顔は2日目、化粧は抜糸後から可能 | 洗顔は2日目、化粧は抜糸後から可能 | 洗顔は2日目、化粧は抜糸後から可能 | 当日から可能 |
切らない、腫れない、痛くない
少しの切開でくっきり二重に
目もとのタルミが気になる方へ
スッキリした目元に
眠そうな目を元気な目に
つり目を治したい
しっかりとした涙袋が欲しい
腫れぼったいまぶたにさようなら!
傷も分からず10歳若返る
まぶたの凹みが気になる